内容説明
浅草寺の境内で娘が晴着を切られ、怪我をした。数日後、一緒に閻魔まいりに行った堀留小町といわれるほど器量良しの娘が殺される。表題作ほか、東吾の親友で、八丁堀同心の畝源三郎がめでたく祝言を迎えるまでの騒動を描いた人気作品「源三郎祝言」も含め全八篇。新たな登場人物も加わり、ますます好調のシリーズの新装版第十弾。
著者等紹介
平岩弓枝[ヒライワユミエ]
昭和7(1932)年、代々木八幡神社の一人娘として生れる。30年日本女子大国文科卒業後、小説家を志し戸川幸夫に師事。ついで長谷川伸主宰の新鷹会へ入会。34年7月「鏨師」で第41回直木賞を受賞。平成3年「花影の花」で第25回吉川英治文学賞受賞。平成10年、第46回菊池寛賞を受賞。平成16年、文化功労者。テレビドラマ、芝居の脚本も数多い
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感想・レビュー
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ALATA
52
「蕎麦で酒か」縁談に気勢の上がらぬ源三郎。祝言の夜に思わぬ事態が持ち上がり茫然とする東吾、颯爽と指示をだす通之進。いつの時代も親同士の取り決めで進む婚礼はなかなか厳しいものがある。「蛍沢の怨霊」「金魚の怪」「閻魔まいり」と少し背筋が寒くなる話が続くなか「源三郎祝言」「橋づくし」とお千絵さんが嫁入り、めでたい話にホッとする★3※丁稚奉公から始まって、初登り、手代、年寄と修業が二十数年も続く商人への道。今も昔も暖簾わけ許されるのは僅か、厳しいものだ。2023/01/24
優希
47
怪異譚が多い印象を受けました。タイトルがタイトルだけにちょっとおどろおどろしかったです。2022/09/05
真理そら
28
金魚を食べて死ぬお話やらですっきりしない気分で読み進めて『源三郎の祝言』。ハイハイまた源さんが可愛そうな思いをするのよね、と思いながら読んだら、本当に結婚してしまった。しかも駆け落ちしようとまで思い詰めていたとは…東吾の鈍感さと通之進の鋭さと優しさ、粋な計らいが目立つお話だった。2019/01/03
コージー
19
時間をかけて、読み終わりました。あの源三郎さん、結婚しましたね。良かった良かった。東吾とるいはなかなか進展せず、もどかしい。2015/02/22
mahiro
17
御宿かわせみはNHKのドラマで見ていたのでそのイメージが強い。起きる話も込み入った謎解きと言うまでもないが、生きていくうちに出来てしまう感情の行き違いやずれ、傍からみれば浅はかとしか言いようのないちよっとした欲の引き起こす殺人などを腕は立つけれど何処か坊ちゃん風が漂う東吾が追う、白川蕎麦の又七やお民など遣り切れなさの残る事件だが、るいや取り巻く人々の人情にほっとなる。一巻から読み直してみようかな・・2020/09/19