出版社内容情報
宿屋を狙った連続盗難事件の陰にいま江戸で評判の祈祷師、清姫稲荷のおりょうの姿がちらつく。果してその正体は。表題作ほか七篇
内容説明
轟く雷鳴の中、材木問屋の女主人が惨殺された。この殺人と宿屋を狙った連続盗難事件の陰に、いま江戸で評判の祈祷師、清姫稲荷のおりょうの姿がちらつく。果たして、その正体は?表題作ほか、「横浜から出て来た男」「穴八幡の虫封じ」「阿蘭陀正月」など全八篇を収録。旅籠「かわせみ」を取り巻く人人の江戸情緒豊かな人情捕物帳。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
優希
40
殺人や連続盗難事件が起きるにしても、情緒豊かな捕物帖というのに惹かれます。2022/07/20
さら
40
“御宿かわせみ”シリーズ22冊目。『春の雪』『清姫おりょう』は下手人がつかまらずに終わった作品。かといって迷宮入りというわけではなく、読者には分かっています。東吾の温情もあったり、その後を想像させる終わり方だったり、このシリーズも円熟味を増している気がします。2018/04/15
えぐ@灯れ松明の火
7
姉妹の再会と、悪巧みが見事につぶれる様が嬉しい『横浜から出てきた男』、お互いに気を使いあうるいと東吾が切ない『穴八幡の虫封じ』、狸あんまり関係ないような?『月と狸』、つかまらないまま東吾とすれ違う所が印象的な表題作、芝居の様子を想像するのが若干めんどうだった『猿若町の殺人』。今作一番は、東吾と宗太郎の友情と男の嫉妬が対称的な『阿蘭陀正月』2011/09/05
bookshelf_yt07
6
【あらすじ】 麻生宗太郎の元に長崎遊学時代に知り合った医者・依田貫一郎が訪ねてくる。依田はオランダの暦での正月祝いを品川で行うといい、宗太郎は東吾を連れ、参加する。ところが、依田が河豚毒でそのまま帰らぬ人に。「阿蘭陀正月」他を収録。【感想】印象に残ったのは「阿蘭陀正月」。話が行き着くところは、人の嫉妬。嫉妬の感情は多くの人が1度は感じたことがあると思うが、意外と心が満たされていると、自分への嫉妬って気づかないと。東吾も宗太郎も満たされているのが分かるゆえ、今回は考てえるように感じた。2022/12/10
椿
6
再読。御宿かわせみシリーズ第22作。「春の雪」「清姫おりょう」が印象に残ってるよ。おりょうは、したたかだなぁ。2015/04/03