出版社内容情報
日露戦争前後の上流社会を風刺した、日本人の誰もが知る名作を復刊。目に優しい大きな活字。現代人の感覚に即した実践的な注釈付。
内容説明
苦沙弥先生の書斎に今日も集うのは、迷亭、寒月、三平ら、太平の逸民たち。人間どもの珍妙なやりとりを、猫は黙って聞いている。滑稽かつ冗舌な文体と痛烈な文明批評。発表当時から「とにかく変っている」という折り紙がついた、夏目漱石の処女小説。読んで笑うもよし、首をかしげるもよし、深く考えるもよし。
著者等紹介
夏目漱石[ナツメソウセキ]
慶応3(1867)年、東京に生れる。帝国大学文科大学英文科卒業。東京高等師範学校、松山中学、第五高等学校の教職を経て、イギリスに留学する。帰国後、第一高等学校、東京帝国大学で教鞭をとるかたわら、『吾輩は猫である』『坊っちゃん』を執筆。明治40(1907)年より朝日新聞社員となる。以後、同新聞に『虞美人草』『三四郎』『それから』『門』を発表、明治43(1910)年、胃潰瘍のため吐血してからは病いと闘いながら『彼岸過迄』『行人』『こころ』『道草』を書いたが、『明暗』を執筆中の大正5(1916)年死去した。その内容の豊かさ深さにおいて、その後世への影響において、日本屈指の文学者である(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
Shoji
84
有名な書き出しで始まる長い物語。 とても面白い物語でした。 全編がユーモラス、古典落語のようなやり取り。 ラスト数ページにこの物語で夏目漱石が言いたかったことが凝縮されていると思いました。 大人になってから、心穏やかな時に読む本かな。滋味のある一冊でした。 それにしても、面白いのに読むのに恐ろしく時間がかかった。2016/10/25
シュラフ
35
珍野苦沙弥先生の交友関係が中心である。苦沙弥先生が変人だから、そこに集まってくる友人たちも変人ばかりである。だが、この変人らは知識人だから、その議論は哲学的なものとなっている。人間は社会の中でいかに生きていくべきなのか。近代になる前は、人格というものが認められていなかったから窮屈はなかった。しかし、近代になってみんなが個性を主張しはじめるようになったことで他者との緊張関係が高まって、生きることが窮屈になってしまった。その解決策はひとりで生きること。夫婦関係も成立しなくなる。漱石の作品のテーマがここにある。2017/10/07
かずぼう
24
『とにかく人間に個性の自由を許せば許すほどお互いの間が窮屈になるに相違ないよ。』SNSを気にして自殺者も出てしまう現代、改めて夏目漱石の先見の明を感じた。最後の吾輩猫が、ちと可哀想でした。2025/10/08
ふわり
18
ほぼ1ヶ月かかって、ついに読了!(汗) 内容は半分も入っていないだろう。。。笑 主人と迷亭君寒月君の会話を、吾輩猫が聞いてる構図。のちに東風君独仙君なる登場人物が増える。内容は入らずとも何故読み切ることが出来たのか。人間たちの会話には辟易だが、猫の描写にクスッとする。吾輩に名前がつくのか、寒月君は結婚するのか、この2点が読了まで導いてくれた。兎にも角にも読み切ったぞー!達成感はある。2025/12/21
やまはるか
17
筋がなく登場人物時空間明確な雑記風文。並行読みした彼岸過迄の緊張を和らげる最適な読み物だった。胃が悪いのにジャムを舐める所を覚えているから昔この辺りまで読んで投げ出したらしい。読みながら何度笑ったか。ハハハと声に出して笑った。苦沙弥家の細君はホホホと笑う。「いやーよ、ばぶ」の3才児から小学生まで娘が三人ある。食事風景が誠に面白い。二番目の娘が味噌汁の具の薩摩芋が熱くて吐き出すと食卓を滑って末娘の前に、芋好きなバブちゃんは手づかみして食ってしまう。絶対放任主義の父親は一言も発せず悠然と楊枝を使っている。2021/03/01
-
- 電子書籍
- 大公の正体が悪女で黒幕でした【タテヨミ…




