出版社内容情報
離婚後の優雅な独身生活を送る中年男性にとって゛極楽の暮し゛とは何だろう? 男の仕合せな人生を探る表題作など味わい深い七篇
内容説明
平凡なサラリーマン生活を送ってきた48歳の竹中はボテ美女の妻と別れて、「極楽の暮し」を満喫している。竹中としては「男の年季」が明けてからの、陋巷の一人ぐらしを想像するところが、いちばん楽しい。妻と別れたあとの男の生き方を探る表題作など、ダメ男、家庭内落伍者の中年熟男をテーマにした作品集。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
優希
76
面白かったです。ダメ男や家庭内落伍者の中年熟男を描いた短編集。普段接することのない人種を客観的にユーモアを交えて見ることができるのが楽しいですね。今の中年はどうなのかなと考えてしまいました。2018/06/21
湖都
11
たぶん祖母の本。女史追悼のため手に取った。少し気の弱い中高年の「おじさん」達を主人公とした短編集。一方、その妻達は皆たくましく社交的に生きている。おじさん達の、表に出さずに口の中でぼやくような平和主義的な愚痴は、著者は男なのではないかと思わせる。その一方、おじさんを通して描かれる女達の姿を見ると、やはり著者は女性だなぁと感じる。『無芸大食』だけは三十代女性を主人公に2人の夫を描いているが、これだけはラストが悲しくていけなかった。美味しくいただいた食べ物をボロクソに言われて悲しくなる気持ち、わかる。2019/06/16