文春文庫
ヴィヨンの妻・人間失格ほか―太宰治映画化原作コレクション〈2〉

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  • サイズ 文庫判/ページ数 325p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784167151133
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0193

内容説明

「いまは自分には、幸福も不幸もありません。ただ、一さいは過ぎて行きます」。連載最終回の掲載直前、自殺を遂げた太宰の代表作「人間失格」のほか、奇妙な夫婦関係を描いた佳作「ヴィヨンの妻」「二十世紀旗手」「桜桃」「姥捨」「燈籠」「きりぎりす」「思い出」を収録。生誕100年を迎えた太宰治の傑作集。

著者等紹介

太宰治[ダザイオサム]
1909(明治42)年、青森県北津軽郡金木村(現五所川原市)生まれ。官立弘前高等学校を経て、東京帝国大学文学部仏文学科中退。1935年、「逆行」で第1回芥川賞候補。1948年6月13日、玉川上水にて入水自殺(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

びす男

67
「むりもないことだ、なぞと理解せず、なぜ単純に憎むことができないのか」。自分のことを書いているなどと思い上がるつもりはないが、言葉が心に突き刺さってくる。ここに収められている作品は、自分は社会や世間に適合していないんじゃないかという恐怖に裏打ちされている。うまく取り繕っても、本当はぜんぜん人の気持ちなど分かる気がしない。そもそも取り繕えているかすら自信がない。なぜ、皆はあんなに「世間」のような顔をして生きていられるのだろう?人も傷つけられず、自分をさいなむ弱虫。人間らしくないことに、本人も気づいている。2017/06/28

セウテス

63
〔再読〕「人間失格」は、単作品で何度も読んでいるので、今回は「ヴィヨンの妻」を。戦後の混乱の中、無気力に日々を過ごす作家自身を客観的に描いた私小説の様な作品。飲み歩き、女とうつつを抜かし、借金まで作って妻に働かせている男。何事もネガティブに考える男に対して、障害の在るかも知れない子供を育てながら、亭主の借金の為に酒場で働く妻の「私には合っているかも」とポジティブな姿勢に、ただひたすら頭が下がる。私も若い頃は誉められたものでは無いが、本作を読み成長出来たほうだと思う。そういう意味では、人生の書ではあった。2016/03/13

優希

51
太宰と重なりますね。おさめられている作品全てに「生きていることへの謝辞」が感じられます。生まれたことへの後悔が太宰の中にあったのでしょうね。2023/02/19

kaoriction@感想は気まぐれに

28
先日の『相聞』〜「水上心中 太宰治と小山初代」から、「姥捨」のみを読もうと思っていたのだが、「ヴィヨンの妻」と「桜桃」も読んでしまった。読みながら、やはり、私に太宰は向かないなぁと思う。そして、太宰にイライラ。イライラしつつも、なぜか読んでしまう、読めてしまう不覚さよ。どうしてくれようこの気持ち。肝心な「姥捨」は、『相聞』での下地があったので、嘉七の全てに胡散臭さを感じ、辟易し、同時に本当に太宰は初代を愛してなどおらず、嫌悪しかなかったのかと哀しく虚しくなる。タイトルが「姥捨」とは初代には哀切極まりない。2019/05/09

くみ

18
読書会で「サン=テグジュペリと太宰治は友達にはならない」と話が出たので、初太宰。只々暗いというイメージがあったが、変わった。なんというか、仮面を付けた道化師が目の前で踊っていて、遠くから見てるにはいいのだけど、近寄ると危険な感じ。ヴィヨンの妻から思い出まで徐々に慣れてきたかと思ったら、最後の「人間失格」ディープインパクト。。好き嫌いを超越してる。あまりのインパクトに読んだ次の日気づけば太宰のこと考えてた。いやだ、取り込まれそうで怖い。怖い。決して好き作家にはならない太宰。でも斜陽も読んでみよっかな。2018/02/13

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