文春文庫<br> 憤死

文春文庫
憤死

  • ただいまウェブストアではご注文を受け付けておりません。
  • サイズ 文庫判/ページ数 366p/高さ 16X11cm
  • 商品コード 9784167151089
  • NDC分類 916

出版社内容情報

印緬国境は豪雨と泥濘の地獄と化した。前線の苦闘を座視したままの軍首脳。痛恨と呪詛のうちに密林中に消えた祭師団の最期を描く

内容説明

インパール作戦で、第15師団「祭」は、善戦苦闘し、最も多い死傷者を出したにもかかわらず、評価されなかった悲劇と不遇の兵団である。無理難題の命令を受けて悩む師団上層部、そのしわよせを受けて惨澹たる死闘をくりかえす前線の将兵たち。なぜこのような作戦や戦闘が行なわれたか問いかける「インパール」第4作。

目次

戦場の約束
国境の古道
師団長と参謀長
火砲三十六門
軍司令官と残飯
天険の要害
電光の正体
戦車出現
敵中脱出
さまよう司令部
名誉心功名心
敗走

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

イプシロン

34
本書を第4部とするインパールシリーズは、作戦の愚劣無謀さを追求し、責任の所在を明確にすること。戦後になっても作戦指導した者たちが自己保身から虚偽を述べていることを、世に知らしめるために書かれたものと受け取れる。だが、本作で感じた恐ろしさは、組織における意思決定のされかたが、「情」や「空気」によってなされたということである。良識派は豪傑派に押し切られ、また個人的な好き嫌い、あるいはまたウマが合うあわない、兵学校が同期であったからといったお友達観などの人間関係から重大な作戦の意思決定がなされるという……。2019/08/31

CTC

9
文春文庫88年、単行本69年刊。インパール四部作の4は15師団=“祭”の苦闘を描く。本書は主に祭の参謀長だった岡田菊三郎少将の回想と山口正文師団長の日記に基づく(両者は決して蜜月ではないが、15軍=“林”への不信感は一致している)。例のごとく、本書は1・3と同様に(2の烈だけはよく纏まっている)細かな戦闘描写が続くので読みづらいのだが…それだけに通説の実態も見えてくる。例えば…山内中将といえば米国通な訳だが、従兵にパンを焼かせたり洋式便座を運ばせた、というような悪評も聞く。実態は侘しいものだったようだ。2018/11/30

Miho Haruke

1
ビルマ方面軍第十五軍の中で、とにかく不運だった「祭」第十五師団の戦いがつづられる。死闘を繰り広げながら師団上層部に罵倒され解任され病に斃れた師団長山内中将の日記を、彼を補佐していた岡田参謀長が戦後読み、自身の記憶と異なる記述に目を向けるところから始まる本書は、岡田の目から、師団長としての山内が感情的になったり、図太さに欠けるきらいがあったことにも触れている。しかし、山内率いる「祭」が命令を実現できなかった原因は、師団上層部が罵倒するような、山内の臆病や怠惰ではない。絶望的な兵站、過酷な自(コメントへ続く)2014/02/02

きり

0
あー・・・・読んでしまった・避けていたのに。2010/01/23

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/177718
  • ご注意事項