文春文庫<br> 抗命 - インパール2

文春文庫
抗命 - インパール2

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  • サイズ 文庫判/ページ数 302p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784167151027
  • NDC分類 916
  • Cコード C0195

出版社内容情報

太平洋戦争の末期、三万六千の兵をいたずらに敗走させたインパール作戦の悲惨な状況を綿密な取材で再現し、軍上層部の無責任と戦争の狂気を追及したドキュメント

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

えちぜんや よーた

78
およそ組織というものは最初に目的があり、その目的を達するために目標が存在する。目標を遂行するために個々の具体的「任務」が明確に定義される。実際の階級が低くなればなるほど、現場に近ければ近いほど、その「任務」が忠実に遂行されている様子がよく分かった。兵→下士官→(尉官クラスの)下級将校がそのお手本。佐官クラスでかつ司令官の暴走を止めるはずの参謀になるとなぜか思考停止状態に陥り、重大な戦略を決めるはずの将官クラスになると「お友達クラブ」でやるじゃれ合いの思考しか持たなくなっている。今の日本と同じやね。2017/08/25

イプシロン

34
あとがきにかえて――にある「戦争の罪悪と、無責任の罪悪とは、けじめをつけておかなければならない」という言葉が実に重かった。戦いによって起こる惨禍の責任(いつどこに砲弾が落ち、いつ誰が死ぬかといったことは偶然性が高く、個人の責任を追及しようがないというようなこと)は償いようがないが、戦場においてされる作戦指導(糧食や医薬品や弾薬の補給など)というのは、人為的なものであるから、その責任を同列に語るべきではないということであるのだろうが、著者はそれをさらに掘り下げて「人間(として)の責任」を問うている。2019/08/25

CTC

12
76年文春文庫。74年同文庫の『インパール』が本年夏に復刊されたのだから、本書は来年復活すると確信する。 本書は明らかに『インパール』同等の価値がある。31師団=“烈”の佐藤幸徳中将による日本陸軍最初で最後の“抗命事件”は著名だが、この詳細が知られるのだ。実は先の大戦において、抗命的ケースは割と散見される(師団長クラスのものも、例えば『レイテ戦記』などにも記される)。しかしそうした齟齬は追認する命令を出し整えるか、死地に追いやってないものにしてしまう。そうじゃないからインパールは異常なのだ。凄い本です。2018/10/30

Miho Haruke

3
上官の命令に背く抗命は軍隊組織への根本的な挑戦だ。戦史中稀な抗命事件となった、ビルマ方面軍第十五軍「烈」第三十一師団の佐藤幸徳師団長の戦いが描かれ、インパール五部作読書体験の中で、ほんの少しだけ溜飲を下げる作品。理知的かつ強烈な自我の持主だった佐藤は、師団上層部に食糧武器靴や服などを要望するが再三裏切られ、無謀な進軍命令を受けるに至って、昂然と命令に逆らい、独断退却を命じる。軍法会議に進んで出頭し、無理難題を押し付けた上層部の愚劣を晒してやろうという戦略だった。しかし、実相を明らかにした(コメントへ続く)2014/02/02

かっくうほう

2
最悪の損害。最高司令官が間違っているとわかった時点で、やめても遅い。佐藤師団長が命令無視で撤退しなければ、もっと人が死んでいたのだろうか?ただ、命令無視が認められるかは考えなければならないと思う。とりあえず牟田口司令官は無能なのだろう。一度成功したことがまた、通じると思った挙句、敵をしっかり調べない、準備をしない、状況が変わってもそれに気付かない、方法を変えない、自分の間違いを認めない、こういったことが無能につながるのだろうか。2009/09/09

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