出版社内容情報
欲しい品が必ず手に入る謎の骨董屋。実現した夢の代償に客が支払うものは…憎悪の黒い炎に破滅する田舎町を描き尽くした恐怖の大作
内容説明
平穏な田舎町キャッスルロックに骨董屋が開店した。店主は素性の知れぬよそ者、でも客はみな目を見張る。欲しくてたまらなかった品々が格安で手に入るのだ。条件はひとつ、店主に頼まれた「いたずら」を実行すれば…。キング作品でおなじみの町に、またも怪異が襲い来る。かつてないスケールと破壊力をそなえた大破局が。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
散文の詞
161
キャッスルロックと聞いていニヤッとする人は、通ですね。 さて、古物商がこのキャッスルロックに店を構えて、商品を販売するのですが、お客は安価で手に入れる商品と一緒に、一つ、いたずらをするように店主に言われます。 それが、次々に事件を起こしてくのですが、連鎖する毎に、事が大きくなっていく、次に何が起こるのかがわからない面白さにやめ時がわからないほどです。 そこに、この街の保安官がひとり立ち向かうのですが、このへんはうまいですね。 おおよその見当はつきますが、下巻が楽しみです。2021/12/27
白のヒメ
54
小さな田舎町、キャッスルロックに新しく出来た小さな骨とう品店「ニードフルシングス」。その店には人々が心から欲しいと思うものがある。それを手に入れるためなら、他人にほんの小さないたずらをしてしまうほど・・・。仕組まれた小さないたずらが雪だるま式に巨大な悪意へと膨らみあがっていくさまは、とてつもなく恐ろしい。人をないがしろにしてまで何かを欲しいと思う欲望は、結局他人だけではなく、己までもを滅ぼすのだろうか。キングの小説のファンなら垂涎ものの伏線もたくさん。もうワクワクが止まりません。下巻へ。2016/01/04
Small World
33
キングの作品の舞台となる町といえば、"デリー"と"キャッスルロック"が有名で、それぞれの作品を読んできたのですが、本作はまさに"キャッスルロック"の町自体が主人公のようです。上巻の終盤は様々な罠が発動し始めたところなのですが、かなりえぐいこになりそうな予感の中、下巻に進みます!2019/09/18
うーちゃん
25
先日読んだキング作品が面白かったので、自分の中でキング熱がめらめらっときてます。キングって多作かつ長年に渡って書き続けてるからか、けっこうな作品が閉架に眠っているみたい。91年作のこの本も、閉架から出してきてもらいましたが、え?今すぐ開架最前列にでーんと並べたほうがいいよ?ってぐらい面白い!これ家事育児がおろそかになるやつ!笑 下巻では、「スタンド・バイ・ミー」にも出てきたあいつが登場するとかしないとか。---あんた、初めてじゃないよな、この町は。嵐が、こっちへ、やってくるぞ。2019/11/10
ぎん
22
月イチキング。 過去に3回は読んでいるはずだが、やっぱり面白い! キング作品の初期のころから物語の舞台として度々登場した架空の町・キャッスルロックの終焉を描いた話。 キングファンにはお馴染みの地名や人物、事件が登場し、さながらキングによるファン感謝祭のよう。とはいえ、物語自体のクオリティの高さも十分すぎるほどで、キング初心者でも面白く読めるはず。 上巻は破滅への序章というべき抑えた雰囲気ながら、不安の種があちこちに蒔かれ、下巻での収穫が恐ろしくも楽しみ。2017/04/07