出版社内容情報
変転の末に心ならずも身を沈めたアメリカの娼館街から出発して第一級の女性運動家、評論家として女性解放思想史上に大きな足あと
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
及川まゆみ
4
山田わか自体をよく知らなかったので読んだ。親族に取材を拒否された理由はわかが売春婦だったからなのだろう。親族の気持ちもわかるので、その反対をおして発行したのはなんとも著者の身勝手さも感じるのだが……けれどわかがいかに立派なひとだったかはよくわかった。シアトルでの講演のくだりは本当に感動する。2017/02/24
きよきよ
2
からゆきさんのおサキさんのアメリカ版だと期待して読んだら、からゆきさんとは文体も雰囲気、密度も違い、頑張って飛ばし読みしたけど、おサキさんのような密度の濃いルポではなさそうだから、やめた。 ★★2021/10/11
ミュンヘン
2
かつて騙されてアメリカで娼館に売られた女性。何年もの苦界を経た後、娼婦救済施設・キャメロンハウスに逃げ込み勉学に励んだ山田わかが婦人運動家となるまでを追ったルポルタージュ。かつて身を売っていたシアトルに活動家として講演に行った際、地元の男は卑猥な野次を投げたという。野次が止まるまで沈黙を続けたのち彼女は「私は皆様の前に立つ価値のない女です。しかし、私は生まれ変わりました。生まれ変わった女だからこそ、語れることがあります」と聴衆に語った。女性として辛酸を嘗め尽くしたわかの壮絶な人生が著者によって発掘された。2010/03/02
けい
0
いやあ、いい本だった。実は元シアトルの娼婦だった評論家、山田わかを追うルポルタージュ。山田わかが素晴らしすぎる。見習いたい。2017/09/07
tonakai
0
山田わかの伝記としては感動的。女性史としては、からゆきさんには遠く及ばない。2016/10/15