出版社内容情報
維新から三十数年、近代化を目指す若い国家がその命運を賭して戦った総力戦の一部始終を、膨大な資料を駆使して雄大な構想で描く
内容説明
維新より30年、近代国家の地歩をかためる日本にとって、20世紀は北からの脅威で始まった。超大国ロシヤが東に膨張を続け、ついに中国東北部に勢力を伸ばしてきたのだ。これを座視すれば独立国として窮地に立つであろう。だが、ロシヤと戦い勝てるのか。決断の時が迫る。膨大な資料を駆使して雄大な構想で描いた大長篇。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
勝浩1958
6
日露戦争が、ロシアの東進を危険視する列強の対日支援の下におこなわれ、その意味では代理戦争あるいは間接的な世界大戦の性格をもっていたことは、戦争の経緯が告げているし、開戦前からも明らかであった。2021/01/03
めっかち
3
すごく客観的かつ丁寧に歴史を叙述してると思う。只『日露戦争』という題名なのに開戦しない……。八甲田山雪中行軍事件の話が百頁くらい書いてある(笑)。いや、面白いんですよ、捜索隊にアイヌ人も参加してもらったが本土人への反感を考慮して賃金をはずんで食事などで厚遇したって話とか。後、本書の良いのは、露国側の事情が詳しく書かれてる点。好戦派が徐々に力を付け態度が硬化してくる様子が興味深い。結局、露国としては満州は譲らない、と。日本としても、これは自衛戦争としてやらにゃならんと、準備を整えて行く。2も楽しみだな。2023/03/23
りんご
1
同じ日露戦争を取り扱ったもので、司馬遼太郎の「坂の上の雲」とは全く異なる。この巻では八甲田山の遭難の物語が悲惨なものだと分かった2024/09/07
Jun Ike
1
興味深い本です。2014/08/01
いぬい
1
今はもう忘れ去られた歴史家による日露戦争史。全8巻と長いが戦争の経緯と経過を丁寧に追った好著。2010/04/19