出版社内容情報
日本人にとって最も身近で最も語り難い日中戦争の真相。その発端から終末まで、戦史に稀れといわれる泥沼の戦いをはじめて再構成
内容説明
日本人戦死者五十余万、文字通り泥沼といわれ、今なお謎と闇につつまれた日中の戦い。日本の戦争史上稀れにみる汚点、そしてその後の日本の歩みに残した最大の歪みの起点とみられるこの戦争の全貌を、日中両国の厖大な史料を渉猟し再構成する。実に四千枚の雄篇。第1巻である本書は1925年春、孫文は死をむかえようとしていた。
目次
清室善後委員会
孫文の死
北伐開始
南京事件
全面清光
北伐再開
田中上奏文
蒋介石下野
山本・張密約
広東ソヴィエト政府
第二次山東出兵
済南事変
張作霖爆殺事件
張学良「易幟」
楊宇霆処刑
李宗仁の乱
田中内閣崩壊
佐分利公使の死
小幡公使拒否
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
飯田健雄
39
児島襄の「日中戦争」が面白い。太平洋戦争は、純粋な戦史であるが、 日中戦争は、両国の内政・外交と軍事が 入り混じった戦争だからだ。1937年、12月13日、南京陥落後、過酷な条件を蒋介石国民政府に突きつける日本政府に対して行政院副院長は、いった。 「日本は将来を考えるべきです。必ず自滅する将来を、です」(下巻・216ページ)そして、有名な言葉、1938年1月「蒋介石ヲ対手トセズ」が生まれ、、日本は、泥沼の戦争に入っていく。ソ連、アメリカも敵としながら、、、ここにも、「日本の失敗の本質」が隠されている。 2017/07/21
兵衛介
4
ミクロな視点から日中戦争を描く大著であり、まず日中戦争の全体像を掴んでから読むべき本。一巻は蒋介石の北伐と、それに伴なう山東出兵、済南事変、張作霖爆殺事件まで。まだ戦争は始まってもいない。2009/12/21
Hiroshi Takeshita
2
よその国はいざ知らず、地続きで国を接するという事の、それが初めての経験ともなると、何と問題の多い事か。しかも、隣国は内戦状態なのである。その上に、多少なりとも、見下したその隣国との外交において、それが上手くいくと思う方が間違ってる。結局、その前の戦争に勝ってしまったところから、全部が繋がって、終戦、いや敗戦まで、一直線なのだなぁと。しかし、それにしても、男ばっか。登場人物の全てが男、男、男。これゃ、駄目だ。余計、駄目。2023/07/12
Mr.deep
1
便衣兵大活躍で、そら「南京大虐殺」も起こるわなと2021/05/30
イチゴバナナ
0
再読済2023/02/13
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