出版社内容情報
満州のほぼ全土の占拠を完了した関東軍は、廃帝溥儀を擁して建国工作を開始する。独立国家か傀儡政権か。"幻の王国"の誕生前後の秘められたドラマを描く第二巻
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
春菊
2
石原莞爾は自分が作った満州帝国と満州人が好きになったのだろう。日本人による植民地的支配に反対の立場をとった。こういうところが、戦後に石原莞爾の人気がある原因だと思う。しかし、そもそも無理を通して外国人が作った国であることに変わりはなく、石原も軍事官僚の地位を捨てられなかったのだから、石原の理想の国などできるハズはない。満州人も気の毒だし、開拓団や青少年義勇軍や協和会といった組織の中で理想を追った日本人も気の毒だ。その結果は「気の毒」というような言葉では軽すぎる。2022/03/20
ユーキー・ノウェイン
0
本書でも「有難う」ネタがあり、日本人役人への送迎会を行い、その日本人は中国語での会話が出来ず、漢字を書いて筆談したのだが、 「今晩、御馳走、有難、御座」と書き、相手は「今や遅い、馬を走らせて逃げよ、難事有り、謹白」と読み急いで山に逃げ隠れするという話があった 「諜報憲兵」にも蒙古自治政府が誕生し常駐する日本軍への感謝が、「日本軍有難」書かれた横断幕を特務機関員が住民へ渡した所、 「日本軍に難事有り」という意味として受け、不安がり 急遽「万歳」を入れる羽目に~という話が有ったりする。有難うより、感謝?2013/05/23