出版社内容情報
(Ⅴ)帝国の終焉。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
鐵太郎
13
児島襄の描く太平洋戦争終結までの昭和天皇の記録、最終巻。例によって歴史の流れの中で天皇がどうふるまったか、が主題ですので、天皇個人についてはあまりページは割かれていません。敗色が強くなった日本の戦争が終結するまでですが、最後に天皇を聖断の場に持ってきて戦争を終結させたのは誰なのかが主題かな。鈴木貫太郎という茫洋としてつかみ所のない老人が、あのときなにを思っていたのかの解釈がちょっと素敵。2019/08/16
たまうさ
3
やっと全巻読了。読み終わってつくづく思うのは、昭和天皇が聡明で無私で無垢で無欲の人であったということ。読んでいて時にその余りに無私で無欲な面に「もう少し自分を主張しても…」と歯がゆく思うこともしばしばだったが、激動の昭和は彼が天皇であったからこそ乗り切れたのかもしれない。断言する、昭和天皇が敗戦を決意してくれたおかげで今日の日本があると。2015/03/09