出版社内容情報
帝国陸軍の象徴的人物・山下奉文大将の生立ち、性格、感慨、将器、閲歴、勲功を叙して、その一身に帝国陸軍二・二六から敗戦までの命運を象徴させた力作評伝文庫版
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
イプシロン
31
有事にあってリーダーに要求されるのは、超法規的措置をもってでも危急の事態を乗りこえる力量ではなかい? と思考すると、山下奉文にはそのような面が薄く感じられた。勿論、有事であっても法治国家においては法律、軍隊においては命令が絶対である。しかしそうした中で生涯、怜悧に能吏的に職務を遂行した山下を知ると、悲劇感が拭えなかった。マレー戦での赫々たる戦果や無理な作戦指導に縛らてフィリピン戦を闘い抜き、自尊心のままに刑死に臨んだ生き方は高く評価でき、感動すら与えられもした。だが、何かやるせなさが拭えないのだ。2020/12/10
金吾
20
○日本陸軍の著名な将軍の後半生です。人物の印象は純朴、鋭利、小心、真面目であり、典型的な優秀タイプの日本人の一形態かなと感じました。あと国が破れると悲惨な状態になるということが伝わりました。「これからはアメリカ一辺倒になるが日本人はアメリカ人になれない。日本人としての教育、とりわけ責任感をしっかり植え付けねばならぬ」は至言だと思いました。2021/06/03
James Hayashi
19
マレーの虎と言われ、海外にも知られた士官。仕えるならこういった漢気あふれる方に仕えたい。マニラで行われた裁判は、東京裁判以上の茶番であり報復行為である。2021/04/18
yuji
1
226事件以降は、不遇の将である。天皇に東条英機に冷遇され続けるが常に皇道派として天皇を崇拝し続けている。シンガポール攻略時に降伏調印させたパーシバルがフィリピン投降時の降伏調印に同席していることは報復の何もでもない。虎というのは弱いものを追い詰めて仕留めるためマレーの虎というあだ名を嫌った。最期まで堂々としており、しつけ、教育が人をつくり国をつくると考えて自我の弱みを見せずに絞首刑台の露と消えた。2015/05/24
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