内容説明
美貌と権力を携え、その魔性と残虐性によって人びとを恐怖に陥れた世界史上名高い12人の悪女たち。並外れた虚栄心、戦慄すべき美への執着、狂気の如き愛欲―罪悪の果てに身を滅ぼしていった女たちの劇的な生涯を、今なおカリスマ的人気を誇る耽美と悦楽の作家・渋沢龍彦が1960年代に記した人物エッセイ集。
目次
ルクレチア・ボルジア
エルゼベエト・バートリ
ブランヴィリエ侯爵夫人
エリザベス女王
メアリ・スチュアート
カトリーヌ・ド・メディチ
マリー・アントワネット
アグリッピナ
クレオパトラ
フレデゴンドとブリュヌオー
則天武后
マグダ・ゲッベルス
著者等紹介
渋沢龍彦[シブサワタツヒコ]
昭和3(1928)年、東京に生れる。本名渋沢龍雄。東大仏文科卒業。マルキ・ド・サドの著作を日本に紹介するかたわら多くのエッセイを発表、小説にも独自の世界を開いた。62年8月病没。56年「唐草物語」で泉鏡花文学賞、63年「高丘親王航海記」で読売文学賞受賞
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
loanmeadime
18
素直になりすぎるから月夜の晩にはなれない、と歌われた悪女ですが、自分に素直過ぎても悪女にはなれるのか、と思いました。ただ、そこに権力の維持やら狂気に近い性癖やらがくっつくと大変なことになる、と理解しました。自分の気持ちに素直、という特性の筆頭はメアリ・スチュアートでしょうか、”あの方のために、わたしはそれ以来、名誉をあきらめました”。ロマンチック。ルクレチア・ボルジアとか、マリー・アントワネットとか、むしろ環境に振り回された存在として、同情を含んだ書き方がされているように思います。2022/06/12
芍薬
17
もはやスタンダードな悪女となった12人の女性の人生が語られています。何故かたまに歴史上悪女に会いたくなってしまう私。権力と美貌を振りかざし自分の欲望に忠実な様はいっそ小気味よいですが何方とも仲良くは成れなさそうだなぁ。2012/11/07
ユウユウ
15
#読了 〝美しいから悪女なのではない。悪女だから美しいのだ。〟2021/08/09
双海(ふたみ)
14
本文は勿論のこと、美輪明宏さんの解説がまた好い。「現代は美の受難の時代なんです。経済性、合理性、機能性といったものが幅を利かせて、ロマンティシズムや、叙情性だとか耽美性、頽廃美というものは無用の長物として排除されてしまって、シーラカンスみたいになってしまっているんですよ。」 むべなるかな。 2013/03/23
アノニマス
11
一話目はチェーザレ・ボルジアの妹のルクレチアなのだが悪女かと問われれば微妙な気がする。基本的に被害者側というか…。次のエリザベエト・バアトリがあまりにも惨たらしいことをしでかすのですっかり霞んでしまうというのもあるかも。後世に伝わっている有名な悪女って基本的にこれでもかと生命力に満ち溢れていて良いな。解説は美輪明宏さん。著書の中で澁澤龍彦や三島由紀夫たちの作品を紹介されているらしい。何となくそういうジャンルに興味があるけど何を読んだら良いかわからない人は非常に助かるだろうな。2025/05/02
-
- 電子書籍
- 小学館版 学習まんが人物館 ヘレン・ケ…
-
- 和書
- C型肝炎を生きる