文春文庫
気張る男

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  • サイズ 文庫判/ページ数 295p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784167139285
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0193

内容説明

十歳にして、赤貧から志を持って家出。銀行、鉄道、紡績、ビール会社など、次々と創業し、“西の渋沢栄一”と言われた松本重太郎。関西実業界の帝王として名をはせた彼だったが、その後、倒産で私財をことごとく手放すことになる。常に走りつづけた男の、潔い生涯と、次の世代に受け継がれたその精神を描いた傑作長篇。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ふじさん

88
10歳で志を持って故郷を捨て、銀行、鉄道、紡績会社等を次々創業し、西の渋沢栄一と言われた松本重太郎。この本を読んで、初めてその存在を知った人物。関西実業界の帝王としてとして君臨した彼の波乱万丈の生涯を描いた作品。常に走り続けた男の潔い生涯と次世代に受け継がれた精神は、その後の日本に様々な形で影響を及ぼす。孫の松本重治にその影響が見られる。如何にも、城山三郎好みの人物。明治維新の日本になくてはならない人物の一人だと思う。激動の明治維新の違った側面を知ることが出来た。 2022/03/31

ケイ

60
江戸時代の終わりごろ、丹後に生まれた重太郎は、10才で家出して京都に向かい丁稚に、その後大阪にうつってからメキメキと商才を表す。一度は西の渋沢と言われたものの、自ら手掛けた百三十銀行が破綻、それを救う申し出をした安田に私財全てと引き換えに安田銀行に吸収してもらうのだ。私財を文字通り投げ出した重太郎もすごいが安田も立派だ。重太郎はあくまでも商人であって、両替等で財をなした安田とは才が違ったようだ。重太郎は財産を失ったが、義理の孫の重治は比類なき国際ジャーナリストとなり、日中関係に貢献した。2014/06/20

kawa

32
明治の世に関西経済界重鎮として「西の松本、東の渋沢(栄一)」と呼ばれた松本重太郎を主人公とする評伝小説。「助けるを求める男たちを~次々とすくい上げる」姿勢が「会社屋」と批判され、遂にはそれらの企業が足をひっぱり丸裸、無一文となる企業家人生。彼の関わった企業として今も東洋紡、南海鉄道、アサヒビール等、有名企業が数多く残っており明治のベンチャーのエンジェル。城山氏晩年作だが失敗への清い責任の取り方が印象的。執筆当時の大企業経営者の無責任に義憤を感じて取り上げた由。明治を産業史の面から振り返られる意味でも貴重。2023/03/10

誰かのプリン

20
関西の渋沢栄一と呼ばれ、銀行、鉄道、ビール会社、紡績等数々の会社を設立軌道に乗せる。しかし、殆ど信用取引に近い銀行で瓦解が始まり最後は、全財産をなげうって遁世する。 同時代に活躍した、渋沢栄一と安田善次郎との比較が面白い。 読んで良かったです。2018/02/26

シュラフ

14
明治時代の関西に松本重太郎という実業家は、後の滋賀銀行、日本火災、JR西日本、南海、東洋紡、アサヒビール、などにつながる事業をたちあげたというからすごい男だ。だが、少々脇の甘い人でもあったようで、自ら経営する銀行の融資焦げ付けで私財すべてを手放して破産。豪邸から借家住まいの身となる。こんなすごい男の一代記だから面白くないはずはない。故郷の丹後を出てから”よっさ、よっさ、ほいさ”の掛け声とともに駆け抜ける人生が痛快である。残したのは事業だけではない。孫の松本重治は国際派ジャーナリストとして日中平和に尽力。2014/05/31

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