出版社内容情報
イラン、英国、米国、カナダなどを訪れ、そこで働く日本人が"日本株式会社"なる悪評をよそに厳しく生きている姿を取材、彼らにとっての生き甲斐を問う異色ルポ
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
東森久利斗
3
日本の常識は海外の非常識。商社やメーカーの海外駐在員の、世界各地、現地での奮闘ぶり、戦いの最前線を取材形式で取り上げる。情熱、誇り、愛社精神、生き甲斐。ジャパンバッシング、カルチャーギャップ、人種の壁、差別にもめげず邁進する姿に脱帽。あらためて経済大国 日本の礎を築いた大先輩に敬意を表す。企業戦士、会社人間への温かい眼差し、憐憫の情。 2022/05/03
高橋 橘苑
3
この本が上梓されたのは1979年である。当時の時代状況とは随分異なってきたが、海外とは日本人にとって何かの重要さは変わらない。海外はむろん多種多様である。海外とは何かとは、逆に言えば日本人とは何かを問うている。異国の地で戸惑い、悲しみ、悩んだ人たちは無意識に日本の文化や歴史を背負い、日本人でありつづけている。他人に迷惑をかけない、自分のことは自分でする、責任感の強さ、それらは異国の地で報われない何かと戦っているようであり、私には日本的美意識の挑戦であるようにも思われた。2013/04/29
つー
2
本作は1977年春ー秋に行われた取材に基づいて執筆された。77年といえば登場するイランはまだ革命前のパフレヴィー朝時代、イギリスはサッチャーが政権につく以前の不景気にあえいでいた頃であり、文字通り隔世の感がある。しかし著者が言うように、我々にとって意外な生き方、異質な生き方が存在することを認めることで、自分たち自身の生き方を考え直すきっかけになるという点において、本書は未だに意味を持っているように思う。 2013/10/29
ゴリゾウ
1
イラン、アラブ首長国連邦、英国、西独、メキシコ、米国、カナダなど国際経済の最前線で働く日本人がいかに異文化とつき合い、折れ合いながら、新しい生き方を見出しているか。異色エッセイ。(出版社/著者からの内容紹介) #2851987/12/01