内容説明
実はコロンブスは二人いました。もう一人も重大な発見をしましたが、それは何でしょう?(答えは本書に)キスを、豆腐を、はたまた007を論じて、源氏物語からピタゴラスまで、古今東西の文学・思想(そしてゴシップも)に至る。本を読む楽しさ、考える喜びを満喫させる丸谷さんの至福のエッセイ集。
目次
動物園物語
春日野、九重などと
阿部定問題
食品譚
007の作者の妻
政治の辞典
四月と五月と六月
ネクタイ知つたかぶり
出雲のお国
二人のコロンブス
龍も雌雄
ゴシップ!ゴシップ!
七つさがりの雨
東西食器論
菜の葉に飽いたら桜にとまれ
小説論的王室論
命令形について
キスの研究
著者等紹介
丸谷才一[マルヤサイイチ]
大正14(1925)年、山形県鶴岡に生れる。昭和25年、東京大学文学部英文科卒業。43年、「年の残り」で第59回芥川賞受賞。「笹まくら」「たった一人の反乱」「裏声で歌へ君が代」「女ざかり」など多くの小説がある。また60年、評論「忠臣蔵とは何か」で第38回野間文芸賞受賞。評論、エッセイに「新々百人一首」「闊歩する漱石」「思考のレッスン」「丸谷才一批評集」(全6巻)などがある
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感想・レビュー
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かしこ
20
初、丸谷才一さん!恥ずかしながら…。その理由としては解説の川上さんとは違って、小説ばかり読んでいたからですね。そして、題材に興味が持てるようになった点も大きいですかね。しかし、読んでみて思ったのですがテンポがよい。論がわかりやすく、ピリッと辛くもある。読まなかった期間がもったいない!これからリピーターになり、刊行作品を制覇したいです。2013/10/22
更夜
5
女性読者が意外と多いことを喜んで、「男もののセーターをすつきりきこなすやうなもの」とまえがきで書かれるようにおしゃれで、博覧強記で、話し上手で、なによりもとぼけた口調が全然偉そうでなく、楽しい知的本。知的好奇心はつきない。日本人は投げキッスが下手だ。ローマ法王のさりげない信者への投げキッスは素晴らしいと意外と日本人の「得意」「苦手」を指摘されているのが面白いところです。日本人論を読んだ気がします。艶話が多いですが、いやらしくなくとぼけて書かれる技は多分、誰も真似できません。2023/01/09
中身はおじさん
2
敬愛する丸谷氏の本。途中から評論になる本が多いが(この場合 私は挫けます) これは 最後まで読みやすい。吉田健一氏のネクタイの話など 何度読んでも良い。 丸谷氏の本を読むたび 知識人に憧れるが、距離も しみじみ感じます。うれしくもあり、哀しくもあり。2017/07/29
hirayama46
2
はじめての丸谷才一。非常に博識なひとがさらりと書いたエッセイという趣で、一流シェフの気まぐれサラダみたいな感じ(食べたことないけど)でしょうか。和田誠のイラストはいつもながらに良いです。2012/10/26
月宮殿
2
東西の古典をさらりと引用。ものすごく奥深い知識を使って「なぜ日本ではキスが描かれないのか」みたいな問題をまじめに考える。独特な美しい日本語とあいまって引き込まれるエッセー集。2010/06/26
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- 和書
- ランドリー 双葉文庫