出版社内容情報
言葉を綴れる学者犬を生んだ化学実験の秘密を狙いKGBの差し向けた殺し屋はミュータントだ。超自然的産物の奇妙なライバル意識
内容説明
〈アインシュタイン〉が不安げに窓の外をうかがう回数が日ましにふえてくる。あいつが、殺戮と破壊の本能が植えつけられた怪物の〈アウトサイダー〉が、刻々と近づいているのだ。正反対の使命を組みこまれた二頭の変異種の宿命の対決が迫る。そして、その刻に向かって、孤独な男と女がしっかりと結ばれ、闘う力を得てゆく…。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
財布にジャック
93
どうなるのかなぁと思ったら、こういう結末なんですね!ちょっと想像とは違ってましたが、今日はいい夢がみられそうです。もちろん、犬、犬、犬の夢です。ただアウトサイダーが主役だったのかもと、読み終えた今になってあれ?って思えてきました。作者の思惑通り、エンターテイメントな見せかけに騙されちゃいそうですが、実は深い深い物語なんですよね。明日からこの本を沢山の方に薦めたいと思います。2010/12/17
Tetchy
63
今回の「やられた」感のキモはアウトサイダーなのだ。まさか最後の最後でアウトサイダーにああいう事をさせるとは思わなかった。しかしこの結末で非常にニュートラルな感慨を抱け、最後の静謐なエピローグがより際立って感じた。しかもクーンツの悪い特徴である素っ気ない結末で締め括られるわけでなく、カチッと最後のピースが当て嵌まるかの如く、素晴らしいエンディングを用意しており、心にずっしりとストーリーが残った。2009/07/19
道楽モン
59
やはり本作がクーンツのベストだ。設定も結末も構成も素晴らしい。まるで読み手の要求に応えるかの如く話は進み、予定調和だろうがベタだろうが、アメリカの流行作家に何を言っても無駄。「こーいうの読みたいんでしょ」という問いに「Yes!」って答えるしかないよ。降参です。読み物に必要な要素が全部入ってます。もうてんこ盛り。国家がらみの生物兵器研究所で、遺伝子操作による人間並みの知能を獲得した犬が主人公。家族となるカップルも成長し、KGBからの殺し屋や謎の殺戮生物(彼は被害者だ)と戦うという話。犬は本を読み学習します。2025/02/10
ナミのママ
46
新刊『ミステリアム』を読む前に読了。公衆電話を探して走り回るあたりは時代を感じる。遺伝子操作で誕生した2匹の“生物“。善と悪のように対照的であり、物悲しくもある。上下巻かけと追われるストーリー、後半に近づくほどハラハラした。この終わり方はいいなぁ。2021/04/17
たまきら
42
孤独だけれども誠実な男女の元に居場所を見つけた不思議な犬。けれども彼を執拗に追う者たちは近づいてきて…。犬を愛するすべての人たちが羨望のため息をつくであろうこの設定…♡2021/01/09
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