出版社内容情報
金塊泥棒の前歴を隠して、インド洋で大物釣りのチャーター船業を営む男を訪れた、目つき怪しい二人の男。手に汗にぎる海洋ロマン
内容説明
モザンビーク沖の小さな島国セント・メアリー。かつてはヤバい渡世をしていたハリーも、いまはおとなしく優雅な愛艇を操ってチャーター船業にいそしんでいる。ある日、怪しげな雰囲気の二人組が現われ、危険な岩礁の島へ案内させて海中から何かを引き揚げる。この謎の品物は何なのか?息つくひまもない危機と冒険の連続。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
absinthe
152
ラストがいい!宝探しの海洋冒険小説。海底の宝探しに奔走する悪党に雇われ、命を狙われながら同じ宝を追うことになる話。敵は救いようのない悪党だが、主人公もかなりのワル。悪と悪の戦い。美女も現われ、美しい南国の海で財宝争奪戦が始まる。テンプレのようなお約束の展開でもあるのだが、ラストは見事。こう来るとは思わなかった。読後、冷静に考えるとあのラストなら途中の展開は少しズルいのだが、小さな瑕疵は爽やかな読後感がまるっと洗い流してくれた。2022/03/22
JACK
20
☆ 小さな島国セント・メアリーに住むハリーは、若い頃はワルとして有名だったが、今は愛艇「ウェイブ・ダンサー」に釣りや観光の客を乗せるチャーター船の船長。ある日、怪し気な男たちから危険な岩礁への案内を依頼される。その男たちは海底から何かを引き揚げると、突然ハリーに向けて銃を撃つ。息つく間もなく襲いかかるピンチと、機転でくぐり抜けるハリーに、ページをめくる手が止まらない。最後の最後まで気が抜けない傑作。2015/08/10
泰然
12
舞台はインド洋のある小さな島国で、主人公は裏世界の世渡りを繰り返してきた男。東南アジアでの軍隊経験と金塊泥棒の経歴の持ち主だが、今は大物釣りのチャーター船業を営んでいる。以下、余分な説明不要の正統派海洋冒険小説。息つく暇もないピンチの連続と、大自然の猛威、悪党達との対決、相棒との友情、旧大英帝国時代のトレジャーの誘惑。ページを進めると、男が惚れる男と女が惚れる男の魅力は違う(ポール・ニューマンのように)ことを再発見してしまう。絶版作品ながら、東アフリカ沖の潮風が読者を伝統的冒険の世界へ誘う隠れ的な傑作だ。2020/03/29
nizi
4
海。船。財宝。悪党。タフな主人公。そして美女。ストーリーは形を変えたジェームズ・ボンドであり、古き良き冒険小説だった。2024/09/23
Bond
4
初読は1991年。面白かった記憶はあるが、果たしてどうか。殆ど内容を憶えていなかったのは驚きだが、お陰で楽しめたこと、楽しめたこと! 得した気分だ。海中でのサスペンス、次々に現れる敵との対決。クライマックスの活劇と古き良き冒険小説を堪能させて頂いた。主人公の相棒2人がいい味を出しているのも嬉しい。絶版なのが惜しい面白本だ!2018/03/21