文春文庫
悪人列伝―中世篇 (新装版)

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  • サイズ 文庫判/ページ数 284p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784167135492
  • NDC分類 281
  • Cコード C0193

内容説明

歴史上の人物は自ら弁護する自由がない。だから評伝するにあたっては、検事の論告のようであってはならない、判事のようであるべきだというのが著者の態度だ。この巻には、藤原兼家、梶原景時、北条政子、北条高時、高師直、足利義満の六人をとりあげ、従来の悪人像を人間的な史眼によって再評価している。

目次

藤原兼家
梶原景時
北条政子
北条高時
高師直
足利義満

著者等紹介

海音寺潮五郎[カイオンジチョウゴロウ]
明治34(1901)年、鹿児島県に生れる。国学院大学を卒業後、指宿や京都で中学校教師を務めるかたわら創作にはげむ。「サンデー毎日」大衆文芸賞受賞を機に、執筆生活に入る。昭和11年、『天正女合戦』で第3回直木賞を受賞し、文名を不動のものとした。和漢の書にあまねく通じ、綿密な時代考証の上に、独自の史観を展開し、小説に随筆に新たな領域を拓き、多くの著作を残した。昭和52年12月没(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

KEI

30
藤原兼家、梶原景時、北条政子、北条高時、高師直、足利義満が取り上げられる。なかなかシブいメンバー。足利幕府は3代将軍義満までゴタゴタしていて利害で味方が明日は敵にのバトルロワイヤル状態だったんだという発見あり。2025/03/09

さつき

18
今作で取り上げられている人物は、藤原兼家、梶原景時、北条政子、北条高時、高師直、足利義満。北条高時と高師直伝を読んでいると主役の二人よりも、後醍醐天皇に紙数がさかれているように感じました。利己的に皇位、権力を希求する様子。日野俊基、日野資朝をはじめとする側近の犠牲。主役として本当に書きたかったのは、こちらなのでは。古代篇の解説を読むと天皇列伝の構想もあったようなので、実現しなかったのが残念です。後醍醐天皇以外にも院政期の治天の君たちなど読んでみたかったです。2016/01/16

mawaji

6
今年の大河ドラマを面白く観ていて「藤原兼家」というワードに反応して手に取りました。権勢の獲得に死力をつくす公卿たちの生態がよくわかります。寛和の変などであれほど画策しても摂関は儚くも4年目で終わり、確執のあった道兼も「七日の関白」とあだ名されたり、今後のドラマ鑑賞の参考になります。梶原景時と北条政子も大河ドラマ「鎌倉殿の13人」を思い起こしながら読みました。「インテリで猜疑心が強く自分の所属している権力者しか信じることのできない官僚のような忠誠心」を中村獅童はとてもよく演じていたのだなあと感じ入りました。2024/03/24

うたまる

3
中世篇は鎌倉期から室町期にかけての悪人6名。「悪人といわれている人間の陰には、それを上回る悪人がいる」の言葉通り、梶原景時と北条政子の陰に陰険スケベ将軍頼朝が、また北条高時と高師直の陰には投げ遣りフーテン将軍尊氏がいた。更に巨視的に見れば、日本史上有数の巨悪後醍醐天皇の吸引力と、オセロのように旗色を変える節操なき御家人たちが存在したのが日本の中世だ。個々人の資質というよりも、著者の言う通り「彼らの地位に置けば、10人のうち8、9人まではこうなったのではないだろうか」という時代だったのだろう。2017/07/08

Henzen

2
「歴史時代の人物は自ら弁護する自由がありません。従ってこれを評伝するにあたっては、検事の論告のようであってはならず、判事のようであるべき(後略)」と作者あとがきにある通り、歴史上において悪人とされている人物の悪行を閻魔帳に列挙するのではなく、推測を交えながらも中立的に見ようという評伝かと。個人的には梶原景時が面白かったです。いわゆる石田三成や久武親直のような忠臣ではあったが反対勢力から君側の奸と思われた人物だったんでしょうか。鎌倉時代も興味が湧いたので読んでみたくなりました。2016/10/02

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