出版社内容情報
一九七二年、同世代の女性六人と一人の男性公認会計士とでスタートした「海外邦人宣教者活動援助後援会」の四半世紀の活動の記録
内容説明
1972年、同世代の女性6人と1人の男性公認会計士とでスタートした「海外邦人宣教者活動援助後援会」。このNGO(民間組織)はその名の通り、海外で働くカトリックの神父と修道女の活動を助けるための資金と物資の援助を目的としている。二十五年に及ぶ会の活動をユーモアを織り交ぜ赤裸々に描く異色のルポ。
目次
最初の一滴
パン焼き窯の中のガーゼ
数時間の生涯
難民業という職業
犬からの寄付
幸福の配当金
どっちにしろ飲み代
深き淵より
アフリカの朝は…
懲りない修道女たち〔ほか〕
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Willie the Wildcat
21
無理のない思いと一貫性。著者の人となりと行動力が持続力。様々なエピソードの中でも「抽象的な概念」が印象深い。工業製品の生み出す”不自然さ”か・・・。言われて納得。飢餓と空腹の違いも同様。身の回りの”当たり前”を、改めて振り返る機会多々。大河の一端の岸辺・・・。軽妙な語りの中に悲しさと優しさが溢れる。2014/08/03
愛奈 穂佳(あいだ ほのか)
8
タイトルに惹かれて、手に取りました。マダガスル人の23歳の母親(上の子は7歳でその間、少なくても3回は流産している)が7カ月児の未熟児を出産し、十分な酸素を貰えぬまま数時間で死んでしまった話は……涙でした(>_<)。その経験を通じ、筆者は、豊かさが当然になっている日本人は、途上国の人々のために自己犠牲の態度を示せるのだろうか……と投げかけ、私も色々と考えてしまいました。読んで良かったかな……2013/03/29
dolly
3
辛くなり何度も閉じ、思い直して読みましたので時間がかかりました。同書と『時の止まった赤ん坊』を合わせて、できるだけたくさんの方に読んでほしいです。2012/01/26
いちご大福
0
題名を見て一瞬遠慮しようかと思った私。ページを開いたら「題に拒否反応を示す方は、」という始まりの文を見つけて引き込まれるうち全部読んでしまった。印象的だったのは「日本の五十代の女性の中には、この豊かな日本に暮らしながら、恐怖に満ちている人がいる。」という部分。貧しい国の現実を知っているからこそ、見えてくる自分の世界。漠然とした恐怖を持つことに振り回され不機嫌に暮らすことのもったいなさを感じた。2016/03/23
コンクリ君
0
頭が下がる、の一言です。2016/12/31