文春文庫<br> 無鹿

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文春文庫
無鹿

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  • サイズ 文庫判/ページ数 173p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784167120245
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0193

出版社内容情報

大友宗麟が作った理想都市・無鹿を訪ねての歴史幻視を描く表題作、「あの世」の話など、傑作遺稿四篇を収録した遠藤さん最後の短篇集

内容説明

戦国大名・大友宗麟がキリシタンの楽園を夢見た理想都市・無鹿。その地を訪ねた男は、夢の跡に自らの人生を重ねる。表題作を始め、名作「男の一生」執筆の背景を描く「取材日記」、死んだ恋人が飛行機事故の身代わりなった「あの世で」など遺稿四篇を収録。遠藤周作の幅広い魅力を堪能させる最後の短篇集。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

Willie the Wildcat

57
歴史上の人物、旧友、あるいは同業者の逸話。どこかスピリチュアルであり夢物語だが、結末が対照的な作品群。『無鹿』と『取材日記』は、夢破れて山河有りという感。一方、『あの世で』と『御飯をたべる会』は、遺された者たちへ・・・という感。著者のちょっとした日常生活に見出す死生観が、少なからず滲む。強いて挙げれば『御飯をたべる会』の〆、「野田のオチ」が微笑ましい分だけ印象的。2017/10/14

まあこちゃん

37
尊敬する著者の四篇の短篇集。健康に不安を抱える定年間際の男が、かつて大友宗麟が目指した理想の地を訪れる表題の「無鹿」は、しみじみと切ない余韻が続く。信長や秀吉や蜂須賀小六らの故郷を訪れた時の話が綴られる「取材日記」は、歴史に疎い私にも興味深く、当時の武将達の思いに心を馳せながら読む事が出来た。亡くなった恋人が飛行機事故の身代わりになる「あの世で」は、ゾクッとするストーリーながらも、不思議とあり得るような気がした。人間や物が持つ"気"を題材にした「御飯をたべる会」は、オチが良かった。やはり著者の本は面白い。2019/08/08

たぬ

19
☆4 遺稿4編。大友宗麟さん、生まれて初めて聴いた西洋音楽に大感激! 「音楽」はラテン語でムジカ→命名、無鹿。「余はその土地をムジカと呼ぼう」ロマンが溢れすぎてませんか? 遠藤周作はこれ以前に25冊読んでいて、内訳はすべて小説でエッセイは読んだことがなかったのだけど、エッセイはエッセイでキリシタンものなんかとはまた別の魅力がある。とりあえず狐狸庵先生にアタックしてみます。2025/03/26

ちばと~る

17
キリシタン大名 大友宗麟を描いた「王の挽歌」執筆の過程で生まれた短編「無鹿」と取材日記やらエッセイやらの短編集。臨死体験を描いた一編はほんのりホラーでしっとり泣けますな〜。長編で読みたい。遠藤周作作品の戦国モノも読みたくなる短編集でございます。2016/12/23

koushi

14
短編物ですが遠藤先生の著作らしく歴史、宗教観、死生観の全てが表されていた一冊でした。本当に色々な物事に興味を持たれた方であると思い尊敬します。遠藤先生の作品の題材は広く深く、考えさせられること数多く我が身を振り返り人生を考える上で大変勉強になります。2014/10/21

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