出版社内容情報
人のなかの未知の部分の大きさと深さを、謙虚に受けとめる著者が、やさしく語る人間考察と、恩人たちの面影を懐しくつづる好随想集
内容説明
のぞいてみませんか、人の心と生命の不思議を…。人のなかの未知の部分の大きさと深さを、謙虚に受けとめる著者が、自らの内奥を素直に打ち明け、あなたの心にそっとふれる―「自分づくり」。恩人たちの面影をしのび、ユーモラスなエピソードでその交りをつづる「あの人、あの頃」など、心ゆたかな随想集。
目次
自分づくり(無駄なものはなかった;視点を変えれば…;弧狸庵という名から…;Xの構造;小林秀雄氏と無意識;ある小説から;心の琴線;心の遺伝子;大きな生命;基督教と私の食い違い ほか)
あの人、あの頃(吉満先生のこと;神父たち;佐藤朔先生;丸岡明氏のこと;神西清先生のこと;梅崎春生氏のこと;亀井先生のこと;病院で会った人たち;久世先生のこと、クロのこと)
感想(弱虫と強者とについて;世界史のなかの日本史;直木賞受賞前の錬さん;意識の奥の部屋―追悼小林秀雄 ほか)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
優希
49
様々な事柄が心に突き刺さります。周作先生の想いには、こう考えればいいのかと教えられるようでした。2021/05/10
hyena_no_papa
3
立て続けに学者の書いた古代日中関係史の本を3冊読んだせいか、脳が慈雨を求めているような気がして、そういう時にはこの人!と書棚の中からこれを選択。読みやすい中にもキリスト教徒である著者の精神と作家としての深い洞察力が滲み出ていて、読み進んで安らぎとともに深い教えも得られたような気がする。エリアーデについては恐らくこの本で知ったのだろう、『永遠回帰の神話』を読んだ。日本古代史に関心を持つものとして大いなる示唆を得た。ところどころに顔を出す自らを卑下するような筆致は狐狸庵先生のいつものパターンで微笑ましい。2023/09/25
すみ子
2
わたしにとって『心の夜想曲』は思春期に出会って以来、人生が行き詰まったタイミングで読み返し気づきを得ている本だけど、今回は全体的にあまり響かなかったな〜。自分の感受性が摩耗したのではなく、学生時代に己を研鑽した結果だと思いたいが。ユングの心理学については遠藤周作経由でずっと興味があるので近いうちに読む機会を作っても良いかもしれない。2021/03/31
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