出版社内容情報
平凡な若妻が男性遍歴ののち、完璧な娼婦に変身する姿を描いて子宮作家のレッテルをはられた表題作の他に、新潮同人雑誌賞受賞の「女子大生・曲愛玲」など四篇収録
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
背番号10@せばてん。
23
1991年5月10日読了。瀬戸内寂聴氏のご逝去を悼み、ご冥福をお祈りします。(2021年11月11日入力)1991/05/10
烟々羅
19
わたしだって、たまには未読の艶めいたはなしを読みたくなるさ ……と、学生やっていた頃に蒐めた本の棚をみたら、未だ「煩悩夢幻」、「かの子繚乱」しか読んだことがないはずの、瀬戸内寂聴(晴美)さん、きっと未読だろう本を発見した。 30分で軽く読み流した2013/12/10
勝部守
10
どの短編も、冷めた眼で、抑えた感じで、女の情念が書かれている。だからこそ、得体のしれなさを感じる。母親は単純な描写。2016/10/10
もち
6
作者が文壇での沈黙を余儀なくされた『花芯』目当てに読んだ。濃密な女の世界に酔える作品集。よかった。2018/01/09
バーベナ
5
半世紀前、スキャンダラスすぎて発表後に文壇から締め出されるきっかけとなった「花芯」。確かにつつましやかな主婦が娼婦に・・・という内容や、得体の知れない『性』への欲望、その描写は衝撃だけれど、これ受け止められないなんて、なんてつまらないんだろう。黙っているのは女性の優しさなんだけれど・・・。な~んて。恩田陸「三月は深き紅の淵を」から気になっていた「ざくろ」も収録されていて、とっても充実度の高い一冊でした。2011/08/19