内容説明
天才的な智略によって、信濃の国を平定した信玄の野望は、あくまでも京都に上って天下に号令することである。同じ野望の今川義元がまず上洛の軍を起すが、桶狭間の戦いで織田信長にはばまれる。信玄を牽制するのは越後の上杉謙信である。信玄はいまや謙信と宿命の対決を迎えようとしている。著者会心の歴史小説第二巻。
著者等紹介
新田次郎[ニッタジロウ]
明治45(1912)年長野県生れ。本名藤原寛人。無線電信講習所(現在電気通信大学)卒業。昭和31(1956)年「強力伝」にて第34回直木賞受賞。41年永年勤続した気象庁を退職。49年「武田信玄」などの作品により第8回吉川英治文学賞受賞。55年2月没
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感想・レビュー
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W-G
347
桶狭間に川中島と、世に有名な戦がたっぷり描かれる第二巻。他のレビューにもあるように、織田信長対今川義元の桶狭間の方が、読みごたえありという悲しい事実。川中島は合戦そのものよりも、義信の行く末についての伏線の方が興味を惹かれた。信玄への愛着溢れる描写に対して、謙信が妙に青くさいというか、子供っぽい人物像になってしまっている気もする。天才を表現しようとした結果なのか。ともあれ、謙信の出番はここで一段落しそう。いよいよ次あたりから義信関連や、家康との三方ヶ原あたり。徐々に信長の存在感が増しそう。2018/10/06
s-kozy
66
本巻では信長の桶狭間が読ませる。やはりオリジナリティあふれる切れ者だったのか。型を崩さない今川義元が飲み込まれるのも当然だよね。そして、晴信は信玄となり川中島へ。天才・上杉政虎は信長のようには軍を掌握しきれず勝機を逃す。周到に準備を重ねる秀才・信玄に軍配が上がる。それにしても息子・義信の情けなさったらないなぁ。2018/09/21
抹茶モナカ
45
川中島の合戦を描いた第2巻。晴信から信玄に名前が変わって、信玄もすっかり中年になってしまった。謙信は政虎という名前。山本勘助が死んだり、これまで物語を引っ張って来た人物もチラチラ死に始める。歴史小説が苦手なため、読むのが大変で、大変で。2016/03/22
金吾
40
◎何と言っても圧巻でしたのは川中島の戦いです。武田、上杉ともに死力を尽くしているのがよく伝わりました。飯富兵部が義信のためにしていることが裏目に出ているようにも感じます。2022/06/07
只三郎
30
ライバル上杉謙信との戦いを中心に描いた本作。 第4次川中島の戦いの描写には、引き込まれてしまいました。 駆け引き、戦いの激しさ、優劣の移り変わり等がリアルに描かれており、そのシーンが目の前で繰り広げられているような錯覚に陥りそうでした。 期待していた場面の描写が良く、大満足です。2016/01/05
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- 和書
- トラッシュ