出版社内容情報
「遭難」という危機に直面した山好きの人間たちの異常心理と行動を通じて、山のもつ厳しさと美しさを巧みに描いた好短篇集。「風の死んだ山」「岩の顔」「黒い雪洞」他
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
さっと
9
作品集。いずれも山を舞台にした作品だが、なんといっても「しごき」のインパクトが大きい。大学の女子山岳部の話で、お嬢さんたちの裸踊りは創作なのかモデルがあるのかとても気になる。表題作はある滑落を描いて、装備や技術がいかに進歩しようと登る人の心がけひとつで同じような事故は起こるというもの。この新田文学の高低差よw「風が死んだ山」は遭難死した幽霊の足音が聞こえる怪談めいた筋だがリアリスト次郎のオチが効いている。「新婚山行」「黒い雪洞」「虻と神様」は遭難モノ。虻と~は営林署員を通して語られる行政批判もおもしろい。2023/11/07
イエテイ
2
短編6編。うち山の事故2作、遭難1作、雪崩1作。現代はGPS、携帯、ビーコンなどありますが、山は怖いなと思いました。気をつけます。2023/02/04
つちのこ
2
1980年頃読了。大学山岳部を描く『しごき』等短編を収録。
yamakujira
0
6編の短編集。山でさらけだされる人間の心理をえがいているけれど、ステレオタイプだな。 (★★☆☆☆)
ちゃい
0
『しごき』の破壊力が凄い。新田次郎はこんなシュールなのも書くのかとびっくり。2011/07/22