出版社内容情報
本所吉良屋敷内の炭部屋、赤穂浪士の討手をのがれ身をひそめた上野介の隠し砦。かって書かれざる最後の一刻余をえがく異色戯曲!
内容説明
本所回向院裏の吉良屋敷、赤穂の討手を逃れんと身をひそめた味噌くさい物置。ここが上野介の隠し砦。せまい部屋には主役のほかに、将軍からの下されものの、おイヌさま。さてそこへ盗ッ人がしのび込む…。書かれざる最後の一刻、上野介は何をおもい何をしたのか、奇想あふれる物語。あわせて長篇エッセ「日本の仇討」を収録。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Gen Kato
2
再読。ナマの舞台で観て、笑ったり考えさせられたり、最後はほろり。帰り道でさっそく原作のこの本を買いました。「赤穂浪士事件」の考察が理路整然としているだけに、少々生硬に感じられるきらいもあり。やはり舞台の上で役者さんの肉体と発声を通して触れた方が感銘が深いかもしれません。とはいえ戯曲自体、もちろんすばらしい作品であることは間違いありません。2013/12/15
nightowl
1
仇討ちされる側にだって言い分はある。ということで、吉良上野介の討入された最期の夜を書いた戯曲。「きらめく星座」でも薄々感じていたものの、ユーモアでくるみながら国(お上)に対して皮肉や言いたいことを作品に著すのが井上ひさしらしさなのかと思い至る。史実調査の丹念さは流石。2017/12/30
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