出版社内容情報
松山出身の歌人正岡子規と軍人の秋山好古・真之兄弟の三人を軸に、維新から日露戦争の勝利に至る明治日本を描く大河小説。全八冊
内容説明
明治三十七年二月、日露は戦端を開いた。豊富な兵力を持つ大国に挑んだ、戦費もろくに調達できぬ小国…。少将秋山好古の属する第二軍は遼東半島に上陸した直後から、苦戦の連続であった。また連合艦隊の参謀・少佐真之も堅い砲台群でよろわれた旅順港に潜む敵艦隊に苦慮を重ねる。緒戦から予断を許さない状況が現出した。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
yoshida
224
黄海海戦、浦塩艦隊撃滅、遼陽会戦、沙河会戦、旅順要塞攻略戦迄。黄海海戦で連合艦隊はロシアの旅順艦隊を殲滅出来ず、再び旅順港を封鎖する。バルチック艦隊が日本へ迫るなか、一刻も早い旅順要塞攻略が必要となる。満州の遼陽、沙河ではロシアの戦略的撤退もあり辛勝する陸軍。兵力・弾薬の欠乏のなか、旅順要塞を攻める第3軍の合流が待たれる。どこまでが真実か不明だが、旅順要塞を攻める第3軍の司令官乃木希典と伊知地参謀長の頑迷さ無能さに唖然とする。特に総攻撃を毎月26日とする理由。白襷隊の悲しさ。次巻で旅順要塞を攻略出来るか。2018/05/06
mitei
210
旅順攻略がいよいよ本格化してきた。坂の上の雲で乃木大将のイメージが悪かったのが可哀想だった。乃木大将はその後あの昭和天皇の養育者としても立派に努めを果たされ、明治天皇の後を追われて殉死と日露戦争の戦死者を弔われてやはり立派な人であることには変わりないと思った。2010/01/27
ehirano1
199
#日露戦争壮絶実況中継。#大本営の忖度人事で203高地奪取作戦は地獄と化す。#203高地特攻作戦の諸悪の根源は山縣爺さん。#203高地特攻作戦に著書がカムチャッカファイアーブチギレ。#ドイツのロシアに対するクソ塩対応に驚愕(まあ、これで日本軍も少しは恩恵をうけたのでしょうが後味悪過ぎ)。#日本人が作製した「下瀬火薬」凄すぎ。#双方軍(特に現場)各々の苦悩が限界突破していて著者の筆力に感嘆。2025/06/14
いおむ
176
2018年読了一冊目。艦隊戦、地上戦の凄まじさ。日露戦争の単語として知っている人物・地名や艦隊、作戦がようやくつながってよくわかった。しかし作者がもはや〈災害〉とまでいっている旅順陸軍司令部の無能頑迷さは、その戦死者の数だけでも悲惨すぎて言葉がない。2018/01/01
森林・米・畑
138
歴史としての明治時代は苦手の私には物語を通して知識を付けられるから一石二鳥。司馬史観かどうこうは知識があるからこそ。まずは日露戦争がどういう経緯で始まったか?当時のロシア、日本の国情も踏まえながら戦争を俯瞰できた。旅順での乃木、伊地知の作戦不味さと頑固さが目立つ。2022/09/14