出版社内容情報
山本七平、大江健三郎、安岡章太郎、丸谷才一、永井路子、立花隆、西澤潤一、A・デーケンの錚々たる人びとと日本について語り合う
内容説明
歴史をふかく考察し、日本人とはなにかを終生のテーマとして問いつづけ、独自の史観を確立して、数多くの名作をのこした著者が、各界の碩学たち、山本七平、大江健三郎、安岡章太郎、丸谷才一、永井路子、立花隆、西沢潤一、アルフォンス・デーケン氏らと様々な角度からエピソードをまじえつつ語りあった、滋味ゆたかな対談集。
目次
日本人とリアリズム(山本七平)
師弟の風景(大江健三郎)
歴史の跫音を聴け(安岡章太郎)
日本文化史の謎(丸谷才一)
鎌倉武士と一所懸命(永井路子)
宇宙飛行士と空海(立花隆)
日本人は精神の電池を入れ直せ(西沢潤一)
ユーモアで始めれば(アルフォンス・デーケン)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
kazuさん
37
司馬遼太郎氏と立花隆氏の対談「宇宙飛行士と空海」に興味がありこの本を読んだ。空海の室戸岬での神秘体験と宇宙飛行士の船外活動時の宇宙体験は似ているが、最終的には、言葉では言い表せないと。宇宙すなわち大日如来と一体化する体験は、表現のしようがないのだと思う。立花隆氏が宇宙飛行士にインタビューして、その内容を本にしようとしたきっかけがようやく理解できた。2024/01/12
金吾
31
○司馬さんの幅広い視野を楽しむことが出来ました。山本七平さん、安岡章太郎さん、永井路子さん、西澤潤一さん、アルフォンス・デーケンさんとの対話が良かったです。2023/07/05
James Hayashi
20
特にアルフォンス・デーケン氏との対話が印象深い。宗教、ユーモアの重要性でうなづけるものがあった。2021/10/04
aponchan
17
司馬遼太郎さん作品乱読のうちの一冊。 司馬遼太郎さん関連の対談ものはとても面白い。幅の広さを感じつつ、他の方の人柄や考えも知ることができる。 引き続き、乱読していこうと思う。2024/07/30
紙狸
14
山本七平との対話を再読。1976-77年に「文藝春秋」に3回掲載されたのが初出とある。二人の意見が一致しているのは、日本人には体系的な宗教、イデオロギーがなじまない、という点だと思う。この点は今日でもあてはまる。「契約」という、ユダヤ教に根ざす西洋の考え方が日本では受容されていないというのが山本の持論だが、対談ではこんな言い方をしている。「徳川時代をみるとちょうど戦後の日本みたいで、社規・社則はタナ上げにして、社是五訓みたいなものを一心に暗誦しているところがありますね」。山本は優れた直観の人だと思う。2021/04/06