出版社内容情報
明治六年、西郷隆盛の「征韓論」は破れて、彼は長年の朋輩・大久保利通と袂を分ち、野にくだった。新生日本は、早くも最大の危機を迎えた。堂々の大長篇小説全十冊
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
さつき
61
政争に敗れ下野する西郷。大久保との別れ。黒田清隆との別れ。実弟 従道との別れ。前半は別離の情景が心に残りました。争乱の予感が世の中に満ちる中、川路利良の立場の複雑さ、重さを感じ、この物語の冒頭が川路から始まったことに納得しました。2017/10/12
じゅじゅじゅ
8
明治6年10月征韓論が否決。西郷下野。大久保と西郷永遠の別れ。慕う桐野・別所を始め警察組織内の薩摩人も数百人だったか辞職。内戦への不安増大。集思社発足、岩倉暗殺、板垣民選議員設立の建言を政府に陳情、川路大久保ラインできつつある感じ、天皇の立ち位置権力アップしつつある感じ、盛りだくさんでした。人物が多くてなんだかヘロヘロになってきた〜2018/02/26
amabiko
5
廟議の様子はまさに「激突」。前半はとてもスリリングに読めた。そうか、由利公正は寝台からころげおちて頭を強く打って「かるい脳病的精神状態」が続いていたのか。。。初めて聞く話。2015/02/06
りょうけん
5
☆4つ おもしろい、面白いのだが少々むづかしい。読破するには相当の根気が必要である。今は正月。この様なちょっと特殊な環境でないとガシガシとは読み進められない本である。 なにしろ横道に逸れて行くことが多い。 著者もその事は分かっており、そのたびにきちりと理を書いてから逸れていくのであるが、なんせ一旦それるとなかなか本道へは戻って来ない。はてこの本は一体に誰のどんな事について書いた本であったろうか、と読者を何度もいぶかしがらせる。 でも、まあそこは司馬遼が語ると是非もなく面白いし、全部で10巻もの大作であ2014/01/04
きのP
3
いよいよ西郷と大久保が激突し、西郷の征韓論が否決され、西郷が政府から去ることになった。ここから西南戦争へ物語は進んで行くんだろうが、物語の10分の3しかまだ終わっていないという…笑。話が長くなりそうだなー物語に飽きつつある!2015/06/29