出版社内容情報
土佐の山内容堂を主人公とする「酔って候」薩摩の島津久光を描く「きつね馬」宇和島の伊達宗城は「伊達の黒船」備前の鍋島閑叟は「備前の妖怪」と四人の幕末大名を材料に歴史の断片を明快に截る
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
流之助
36
「酔って候」「きつね馬」「伊達の黒船」「肥前の妖怪」の四篇収録。「竜馬がゆく」では敵役のように描かれた山内容堂(鯨海酔候)の鬱屈した内面、斉彬という名君の弟に生まれた久光の滑稽とあわれさ、提灯張りの嘉蔵が黒船造り!?に奔走する物凄さと階級差別の哀しさ、鍋島藩で妖怪のように君臨した謎の大名閑叟の独創性と教育の功罪が、それぞれの短編で描かれている。それぞれに圭角があるが、そこは藩主だったり国父だったりする。嘉蔵に代表される庶民のことなどに頓着しない。自分の才覚を頼みに時局に左右されたり左右されなかったり。2018/06/27
けいた@読書中はお静かに
33
鍋島閑叟の話を読みたくて手に取りました。幕末の京都において薩長土の軍勢を足軽鉄砲隊40人で退けられると豪語した最強の西洋式陸海軍を作り上げた肥前鍋島藩の賢侯。フェートン号事件で他藩より先に外国の脅威を目のあたりにし、他国と交流を持たないという独得の藩の雰囲気。他の3編も面白かった。特に島津久光のポンコツぶりが…鹿児島人から見ても情けない。2016/10/08
金吾
18
○皆鬱屈しており、維新にほとんど貢献していないのが面白かったです。特に容堂や久光は現代でもよくいるタイプだなと感じました。2020/03/15
時代
15
【再読】島津斉彬公に会いたくて再読。つか、物語の主役は久光なんだけどね。幕末四賢候の話。どれも好きだな◎2018/05/21
出世八五郎
15
土佐,薩摩,伊予宇和島,肥前の四賢候を取り上げてる。山内容堂の魅力は分からなかったけど、以外の三人の魅力は感じた。
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