感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
さつき
51
高杉晋作が登場し、物語もどんどん動いていきます。松陰と晋作、晋作と久坂玄瑞、桂小五郎と西郷隆盛などいろいろな人物をうまく対比させて描いているので、とてもわかりやすいです。何より司馬さんの書く高杉晋作は魅力的!次巻も楽しみです。2017/04/08
AICHAN
38
図書館本。蔵書を売り払ってから初めての再読。行動を伴う思想家だった松蔭は攘夷のために外国の武備を見ようと考え、黒船に乗ろうとして失敗し自首する。松蔭は安政の大獄で刑死する。長州藩の上士の家に生まれた高杉晋作は、医家の久坂玄瑞に誘われて松下村塾に入る。刑死前、松蔭がこの塾を継いだのは、先生になるつもりからではなく、自分を磨く奇士を待つためだった。玄瑞と晋作はまさにその奇士だった。刑死前の短期間に松蔭は国防の急なることと天朝の尊ぶことを2人に説く。しかし自分のような軽忽なことはするなと2人を戒める。2018/03/26
☆エンジェルよじ☆
20
幼き頃から藩の純粋培養で人の善のみを見ようとして成長した松陰。お白州での素直すぎる言葉に「何もそこまで・・」と思ってしまった。高杉晋作登場!初めから過激じゃなかったのね。次巻ではいよいよ攘夷への扉が開かれるのか!2014/03/31
myoko
17
あまりにあっけなく松蔭死す。そして天才には違いないが何の天才なのかわからない男、高杉晋作が中心になる。徳川幕府というのは天地そのものと思っていたのが、上海に行き、外から日本を眺めたとき幕府などは屁のようなものであり、大名のひとつに過ぎないことに気がつく。そして松蔭のえらさがわかり倒幕開国を実現するための攘夷へとつきすすむ。上海で英兵に対し刀を抜き毅然とした態度をとった晋作を今の日本人は見習わなければならないと思う。2010/11/08
とし
13
吉田松陰という人間について、20代で初めてこの作品を読んだ時と、30代で何度か読み返した時と、40代になって再び読んでみた今回と、それぞれまったく印象が違うのが我ながら面白かった。昔は松陰の純粋さがただただ好きだったのに、今ではその幼さと頑迷さと狂いっぷりに憎悪に近い感覚を覚えた。実際に接すればたぶんすごく良いヤツで、好きでたまらなくなるだろうから、同時代に生きたとすれば、会いたくない。2017/06/28