文春新書<br> 近代日本の地下水脈〈1〉―哲学なき軍事国家の悲劇

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文春新書
近代日本の地下水脈〈1〉―哲学なき軍事国家の悲劇

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  • サイズ 新書判/ページ数 256p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784166614400
  • NDC分類 210.6
  • Cコード C0295

出版社内容情報

この1冊で近現代史がざっくりわかる!
保阪昭和史の決定版

なぜ日本は太平洋戦争を始め、敗戦に至ったのか。なぜ「玉砕」「特攻」といった無謀な作戦で多くの人命を失ってしまったのか?――
著者が昭和史の研究に携わるようになったのは、こうした謎を解明したいとの強い動機からであった。今まで5000人近くの昭和史関係者にインタビューを重ねてきたのは、それはこの根源的な問いに対する答えを探す旅でもあった。そして、敗戦に至る道筋を調べれば調べるほど、昭和だけでなく、明治維新以降の歴史をもう一度つぶさに検証しなおす作業に迫られることになった。
その結果、著者は「地下水脈」という歴史観にたどり着く。
近代日本の始まりである明治の初期に遡ろう。
徳川幕府が倒れて明治新政府が誕生したものの、新政府内の指導者には、日本が進むべき「国家ビジョン」が明確にあったわけではない。明治22年に大日本帝国憲法ができるまでのほぼ20年間は、「日本という国をこれからどのように作り変えていくか?」をめぐって、さまざまな勢力の〝主導権争い〟がおこなわれた時期だった。
著者はこの間に、次の5つの国家像が模索されたと考えている。
①欧米列強にならう帝国主義国家
②道義や倫理を尊ぶ帝国主義的道徳国家
③自由民権を軸にした民権国家
④アメリカにならう連邦制国家
⑤攘夷を貫く小日本国家
実際の歴史では、日本は①を歩み、すべてが軍事に収斂していくことになる。その結末が、昭和の悲惨な敗戦であった。
では、残る②~⑤の国家像は、そのまま消えてしまったのか?
そうではない。4つのそれぞれの思想やビジョンは、いったん日本社会の地下に潜りながら、いまも脈々と流れ続けている。そして歴史の重要なターニングポイントを迎えるたびに、噴出してくるのである。
「地下水脈」という歴史観でとらえれば、現在の日本の窮状――経済の迷走も、終身雇用サラリーマン社会が変わらないのも、政治がダメなのも、エリート教育がダメなのも、150年以上繰り返されてきたことがわかってくる。
本書は、「地下水脈」をあらためて見つめることで、日本の近現代史を再検証する。

内容説明

なぜ軍部は人命を軽視し、無謀な作戦を強行したのか―。素朴な疑問の答えを求める著者の長い旅は、半世紀に及んだ。急造の帝国主義国家に内在する矛盾と歪み、地下水脈化した思想に着目し、今も日本社会に流れるエネルギーの正体に迫る!

目次

第1章 日本にありえた「五つの国家像」(「歴史の地下水脈」とはなにか?;司馬遼太郎が指摘した「攘夷の地下水脈」 ほか)
第2章 武装する天皇制(天皇の武装化はなぜ必要だったのか?;武士と農民の不満 ほか)
第3章 「軍事哲学」なき軍の暴走(軍事哲学とはなにか?;「海主陸従」の逆転 ほか)
第4章 戦争が「営利事業」だった日本型資本主義(日本型資本主義の歪みの元凶;「藩士」から「サラリーマン」へ ほか)
第5章 なぜ日本に民主主義は根付かなかったのか?(日本型民主主義とはなにか?;昭和天皇が引用した「五箇条の御誓文」 ほか)

著者等紹介

保阪正康[ホサカマサヤス]
昭和史研究家。1939年、札幌市生まれ。同志社大学文学部卒。編集者時代の1972年に『死なう団事件』で作家デビューして以降、一貫して日本の近現代史を検証し続け、約5000人もの歴史の証人を取材してきた。2004年、昭和史研究の第一人者として第52回菊池寛賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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KAZOO

90
つい最近までかなり長期にわたって月刊文藝春秋に連載されていたものです。私は時たま読んでいましたが、やはりまとめられた方を読むのが好きな方で、この新書版を読んでいくことにしました。初めのところで「失敗の本質は「軍事主導」にあった」といわれて戦争がビジネスであった戦前日本と喝破されています。おっしゃる通りで戦争がないと日本は発展していかなかったのでしょうね。さらには西南戦争からその後の軍の暴走や天皇をないがしろにした様をよく資料をあたり書かれていると思いました。2024/01/25

skunk_c

56
副題は明治以降対戦に負けるまでの日本の歴史をコンパクトにまとめたものと言える。話題はあちこちに飛んでいる面もあるのだが、著者の長いキャリアの中で打ち立てた通史になっており、ジャーナリストならではの語り口の上手さもあって、分かりやすい。多少の(高校生程度の)基礎知識があればすらっと読めるので入門書としても十分。そんな中最後の方のいわゆる「天皇の人間宣言」に関する顛末の部分が大変興味深い内容だった。皇国史観=地下水脈としての尊皇攘夷を排し、日本的民主主義の原点(さらに戻れば十七条)に五ヶ条の誓文を位置づける。2025/04/11

kawa

28
最近読了「明治は栄光の時代、昭和前半は汚辱の時代」とする日本の近代史観に異議を唱える中塚明著「日本人の明治観をただす」は印象的だった。本書はそんなスタンスに加え、さらに長期スパン日本史から明治以降の近代史を分析する点に納得感高く参考となる。ただ、軍部やそこに寄生する産業界が戦争を欲し、多くの庶民が犠牲になった論、確かにと思うのだが、その論拠がいまいちなところが残念かな。次巻もあるようなので期待して待ちたい。2024/04/22

モーモー

15
戦争をビジネスととらえ、賠償金を獲得することを目標とした帝国主義。 賠償金を獲得するために軽視される国民の命。 プロイセンから導入されたものも戦略的対応方法だけで大義なきままの軍部拡大。 シビリアンコントロールが必要な意味が分かった。 2024/07/08

Jun Masuno

3
保坂さんの作品を読む なぜ日本は無謀な戦争に至ったのか、様々な考察を展開していく 平成天皇がおっしゃったなぜ日本に民主主義が定着しなかったのか等、考えさせられる2024/10/23

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