内容説明
世界史は年号や用語を暗記する科目のイメージがあるかもしれないが、記憶の断片を繋ぎ直し、ひとつの流れとして把握したとき、歴史の授業はその真価を発揮する。本書は、あなたの知識を大きなストーリーとして繋ぎ直す「大人の学習参考書」である。歴史の流れを押さえれば、現在の世界のニュースが理解できる!
目次
序章 グローバル化が黒死病大流行を生んだ?“大阪大学”
第1章 文字と帝国―世界ーリードしたオリエント“大阪大学”
第2章 ギリシア民主政のダークな起源“首都大学東京”
第3章 文明のリレーはイスラームが主役―12世紀ルネサンス“東京大学”
第4章 「カリフ」で読み解くイスラーム1400年史“東京大学”
第5章 アジア世界を束ねた清朝皇帝「四つの顔」“大阪大学”
著者等紹介
津野田興一[ツノダコウイチ]
1965年生まれ。東京都立大学大学院人文科学研究科史学専攻修了。現在、東京都立立川高校で世界史を教える。山川出版社の教科書『現代の歴史総合』でも執筆を担当(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ta_chanko
19
大学入試問題から、世界史の展開について広く深く考える良書。テーマは、グローバル化とペスト大流行、文字と帝国、民主政と奴隷制、イスラーム文明と12世紀ルネサンス、カリフとイスラーム史、清朝皇帝の四つの顔。これらのテーマから、現代世界の成り立ちや課題についても理解し考えることができる。2023/02/24
武井 康則
9
人の流通は病気も運ぶ。帝国のためには記録が必要。民主政治を支える奴隷。イスラームの先進性。そのイスラームとは。世界一だった清国。など世界史の流れを押さえながら、勘違いしている部分、なおざりにしている部分を大学入試良問を使って説明している。細部にこだわるページ数がないので、おおざっぱながら分かりやすい説明。試験は学習のエッセンスなので、目の付け所がいい。企画の勝利。2024/09/04
白いカラス
5
歴史的出来事などの背景やつながりなどの因果関係、それによる影響、他の出来事や地域との対比、歴史上の意義など大学の入試問題を歴史を知るための切り口として述べられています。。説明も理解しやすく世界史を紐解く一ページとなると思います。2022/11/28
gaku7511
3
実際の入試問題(論述問題)をもとに、古代〜近世の重要テーマについて考えていく本。テーマはペストなどの疫病や文字、イスラームなどの宗教と様々だが、単なる解説ではなく、入試問題や絵画などの図版を使った問いかけ形式になっているので考えながら読むことができて良かった。 ペストマスクやアラム人のラクダ、清朝の黒貂など、人物だけでなくモノに注目した歴史は、授業をする上でも参考になりそう。2022/12/31
のら
1
東大・阪大の入試問題を基とし各トピックを概観。世界史全体の流れを概観する本ではなかったので思った内容とは少し違い残念でしたが、世界史に疎い私でも楽しく読めました。2024/02/08