出版社内容情報
奥野 修司[オクノ シュウジ]
著・文・その他
内容説明
「こんな資料はこれまで表に出たことはありません。いや、今後も絶対に出ないでしょう」。資料を目にした宮内庁関係者はこう呟いた。皇室費の中でも、天皇の私的な「財布」である内廷費の内訳は“聖域中の聖域”だ。今回、戦前戦後で大きく変貌を遂げた皇室財産の全容が初めて明らかに。特に驚かされるのは、昭和天皇の真実の暮らしぶりだった。
目次
はじめに 等身大の昭和天皇を伝える二つの極秘文書
第1章 門外不出の資料が明かす戦前の皇室財産(天皇家の金塊;門外不出の資料;株券は特殊銀行と国策会社;皇室の収入源は三つ;四七〇〇億円もの金融資産 ほか)
第2章 天皇家の「家計簿」から見た戦後皇室の“聖域”(語るのもはばかられる文書;上皇は相続税として四億円超を納税;“聖域”が記された文書;昭和天皇の戦後は巡幸から始まった;昭和天皇の退位 ほか)
あとがき 超一級史料を残した「ある宮内庁OB」の生涯
著者等紹介
奥野修司[オクノシュウジ]
1948年、大阪府生まれ。ノンフィクション作家。『ナツコ 沖縄密貿易の女王』(文春文庫)で講談社ノンフィクション賞と大宅壮一ノンフィクション賞をダブル受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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さくらんぼ(桜さんと呼んでね)
4
戦前の皇室は宮内省が株を買ったり、御料林の木を売って利益を出していた。戦後、それらは国のものとなり、慎ましい暮らしになる。昭和44年の予算書には細かく買いたい物が記されていて、天皇家の暮らしぶりが身近に感じられた。このようなものがよく世の中に出てきたな。2023/01/08
onepei
3
戦後は想像以上に自由になってなかった。 今は実際どうなのだろうか。2022/10/30
カシュマル
2
昭和天皇の財政事情と明治維新後から第2次大戦前までの皇室は超お金持ちだったことがわかる本。 ◇適正な規模かどうか問われたら正直判断に困る。2023/01/14
伊達者
2
意外と感想が少ないので売れていないのかな。戦前の皇室の財産と昭和43年の昭和天皇の日常の支出に関する内廷費を資料で分析・紹介している。前者はその金持ちぶりに驚かされ,後者はつつましいなと驚かされる。いわば天皇の家庭生活が想像できるということで面白いと言えば面白いが,まあ,こんなものであろうという感じもする。自分で財布を持てない暮らしというのは窮屈だなと気の毒に思う。半世紀近くたっているが状況はそんなに変わらないのではないだろうか。2022/10/14
小暮 宏
1
戦前の皇室の財産は江戸幕府から譲り受けた御料林からとれる木材の売却益、それから株それも 日本銀行 勧業銀行 台湾銀行 朝鮮銀行日本郵船など、要するに 国策企業の株の運用益で国費とは別に独立した小国家のような莫大な金額を運用していて、 そこからご下賜金などを出していたというのは知らなかったというより、考えたこともなかった。 それが敗戦を機にGHQが財閥同様解体して国家予算から賄うようにしたという変遷がわかる。 やはり考えたことなかったが 皇室は 健康保険が使えないので全部医療費は自費だという。2023/04/11