出版社内容情報
米朝交渉が頓挫し、経済の苦境を脱せない北朝鮮。権力を握る兄妹の役割や知られざる国家経営の実態を、ディープな取材で解き明かす。
内容説明
韓国平昌五輪で見せた優しいイメージ、南北連絡事務所爆破で見せた激しい罵倒の言葉…。俄かに表舞台に登場した独裁者の妹とはどんな人物なのか。金日成の血を引くファミリーの骨肉の権力闘争を勝ち抜いた兄妹が牛耳る秘密国家のベールを剥ぐ!
目次
プロローグ 滅びの道を歩む金王朝、揺らぐ世界
第1章 金与正とは何者か
第2章 権力闘争の内幕―金正男はなぜ暗殺されたのか
第3章 金正恩政治の実態
第4章 独裁体制の正体
第5章 核とミサイルの行方
著者等紹介
牧野愛博[マキノヨシヒロ]
朝日新聞記者。1965年、愛知県生まれ。早稲田大学法学部卒業後、大阪商船三井船舶(現・商船三井)に入社。1991年、朝日新聞社入社。瀬戸通信局、政治部、販売局、機動特派員兼国際報道部次長、全米民主主義基金(NED)客員研究員、ソウル支局長などを経て現職(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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とくけんちょ
53
タイトルから受けるインパクトどおりとは言えず、あまり驚きのない内容であった。今までの北朝鮮の情勢を淡々と整理したもの。逆に奇をてらう構成でないだけに、冷静に見直すことができた。報道では狂気じみた国、指導者と印象付けようとしているが、あまりぶっ飛んだことはしてない。外交にしても、連絡事務所爆破にしても、真面目すぎるほど真面目に北朝鮮を北朝鮮のまま存続させようとしているだけかなと。2021/07/16
梅干を食べながら散歩をするのが好き「寝物語」
20
北朝鮮情勢を分析したものとしては最新刊。「金正恩と金与正」というキャッチーなタイトルが付いているが、現在の北朝鮮情勢を分析をすれば自ずと金与正にも触れることになる訳で、バランスよく語られているこの本の内容を正確に表している表題とは思えなかった。勿体無い。過去の金丸信訪朝のことも語られており、息子の金丸信吾へのインタビューが掲載されている。北朝鮮側とのパイプを大切にし、代表者との人間的な繋がりは大切にすること、振り上げた拳を下ろせないような態度では諸課題の解決に近づく前進はないという信吾の分析に共感できた。2021/07/06
kk
18
図書館本。名うての朝鮮ウォッチャーである名物特派員が描く「金王朝」支配の実態。外交・国内建設の双方が行き詰まり、支配構造の変質に悩みつつ、非現実的な一点突破を目論んで迷走する若き独裁者と、その血族。既得権益の保持を最優先して、ほとんど面従腹背姿勢の労働党エリートたち。その陰で常に忍従と呻吟を強いられる市井の民。迫力のあるレポートで、人々の嘆きの声が聞こえてきそうな一冊でした。2023/09/08
そうたそ
13
★★★☆☆ 北朝鮮に関して新しめのトピックも多く、今読むと、最近の北朝鮮関係のニュースの流れをおさえるにちょうど良い。その一方でそんなに深く切り込んだ所もないので、自分の中でバラバラになっている北朝鮮のあれこれをひとつにまとめられる程度に思っておいた方がいいかもしれない。内容も全く難しくないので広く勧められる一冊ではある。2021/11/24
乱読家 護る会支持!
3
金正恩の子どもはまだ幼く、男尊女卑の国なので金与正は後継者にはなれない。また金正恩自身が権力を掌握しているわけではなく、「赤い貴族」の中の有力者が権力を掌握しているようだ。 金正恩自身の健康問題があり、金正恩が亡くなれば、権力者のバランスが崩れ、内乱が起きかねないのでは? サヨクの政治家がいわれる話し合いで、拉致問題もミサイル問題も解決するはずない。 日本が取れる手段は一つ。 憲法9条を改正して、自衛隊を軍隊にし、自力で拉致被害者を奪還できる法整備と隊基地攻撃能力を獲得するしかない。残された時間は少ない。2021/09/18