内容説明
織田信長には、知られざる「空白」の期間があった!百三十日に及ぶ「天正八年の空白」、合戦で前線に立たなくなった「合戦の空白」、謎多き「本能寺の変の空白」。気鋭の歴史小説家が『信長公記』をベースに大胆に推理する。
目次
第1章 信長の前半生
第2章 信長の後半生
第3章 強すぎる完璧主義
第4章 アンガーマネジメントの欠如
第5章 佐久間信盛という人物
第6章 激しい気分の浮沈
第7章 信長のパーソナリティ
第8章 信長、最期の一年
第9章 本能寺の変の首謀者は明智光秀ではない
著者等紹介
木下昌輝[キノシタマサキ]
1974年生まれ。奈良県出身。作家。近畿大学理工学部建築学科卒業。2012年「宇喜多の捨て嫁」でオール讀物新人賞を受賞しデビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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starbro
195
木下 昌輝は、新作をコンスタントに読んでいる作家です。木下 昌輝の小説以外は、初読です。本能寺の変の真犯人等、衝撃的な内容はありませんが、『信長公記』を客観的に分析した歴史書として興味深く読みました。戦国時代の鷹狩りは現代の接待ゴルフに通ずる物があるのでしょうか?著者の友人が「まるでジャニーズのおっかけのブログ」と称した『信長公記』を町田康の超現代語訳で読んでみたい。 https://books.bunshun.jp/articles/-/5685?ud_book2020/10/09
ポチ
59
信長公記を中心に他の参考文献も考慮して、信長像を探っていく。あくまで木下さんの推測だが、面白く読ませて頂いた。いつか「信長が三国志の世界に転生する」が日の目をみる事を楽しみにしています。2020/09/26
みこ
35
信長公記を読み解くことで信長のパーソナリティーにスポットを当てる。信長本の多くが晩年を光秀を始めとする周囲の人物目線で書くことが多いのに対し本書は終始信長目線で彼の生涯を描き切る。当然のことながら佐久間信盛追放から本能寺までを彼自身は晩年と認識しておらず、対毛利、長宗我部戦線に奔走する。そして、そこから導き出される本能寺の変の真相についての考察は十分に納得のいくものであった。2020/10/22
イトノコ
32
キンドル。「信長公記」には信長の行動がほとんど記されていない空白の期間があった…そこから着想を得た、木下さんの信長分析。が、前半が信長公記の概略、後半が信長の精神分析、最後にちょろっと本能寺の変の考察と、やや中途半端かつタイトル倒れな内容になってしまった感は否めない。どちらかと言うと、このネタをいつもの木下さんらしく想像たっぷりの小説にして欲しかったかな。あとは、木下さんの三国志長編(信長転生でなくても)を読んでみたくなった。2020/10/04
RASCAL
28
足利義輝、義弟の浅井長政、松永久秀、荒木村重、信長って、よく裏切られるよなと思っていたのだが、ワンマン社長、パワハラ上司ではすまないレベルで、精神を病み、人の心がわかんなくなっていたのかな、と思わせる1冊。指揮官が老人と若造ばかりになってしまったというのも納得。あんなに戦いまくってようやく畿内制覇だった信長に比べ、秀吉は彼を反面教師にできたのでしょうね、後継者になるやあっという間に全国を統一してしまう。サステナブルな組織とはかくあるべきか、ということを考えさせられた一冊。2020/09/28