出版社内容情報
十年後、インドが世界三位の経済大国に!? 国民からの圧倒的支持を背景に経済、外交に辣腕をふるうモディ首相の全てがわかる一冊。
内容説明
10年後には中国を上回る世界最大の人口となり、日本、ドイツを抜き世界3位の経済大国になると予測されるインド。モディ首相の強いリーダーシップのもと、AI戦略と巨大市場が世界を変える。NHK元ニューデリー支局長によるインド最新情勢。
目次
第1章 なぜインドとAIなのか
第2章 インド人が優秀な本当の理由
第3章 日印ビジネスに大切なこと
第4章 グジャラート州から生まれた政治家
第5章 モディ首相が誕生するまで
第6章 モディ政権によるニューウェーブ
第7章 宗教という国家リスク
第8章 原子力協定の深層
第9章 中国とはケンカをしないのか
第10章 象の進む道
著者等紹介
広瀬公巳[ヒロセヒロミ]
ジャーナリスト。1963年大阪市生まれ。東京大学教養学部卒業後、NHK入局。ニューデリー支局長、解説委員として南アジアを中心に30年間で約50カ国の現場を取材する。日本南アジア学会、日印協会、日本マス・コミュニケーション学会の会員。立教大学社会学部兼任講師(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
skunk_c
49
本書に書かれていることではないが、2017年インドの鉄鋼(粗鋼)生産高は日本を抜き世界第2位となった。人口ではまもなく中国を抜き去る。しかし貧富の差が大きく、ひとりあたりGNIは中国の1/5に過ぎない。このポテンシャルは高くともゆっくり歩いていた「巨象」を猛烈に走らせようとしているのが現首相のモディだというのが本書の見立て。グローバリズムの波が結局「南北」の不等価交換という人口移動の制約によって成り立っていた先進国のアドヴァンテージを奪った現在、この人口ボーナス溢れる国がどこまで伸びるか目が離せない。2019/11/14
HMax
30
いかにインド(ヒンディー語ではバーラト)のことを知らなかったのかを教えてくれました。第二次大戦以降のインドの歴史、文化的背景がよくわかる良書。世界地図が変わるかどうかは別にして、世界最大の民主主義の国であるインド。国の平均年齢が25歳、毎年150万人のエンジニア予備軍が大学を卒業。次の日本の首相に、インドを見習いIT省かAI省を作り、大逆転を狙うことを提言します。2020/08/08
hk
28
『インドはもはやカレーの国ではない』 インドの最新事情に関して述べられた類書は少なく本書はすこぶる貴重なのではないだろうか。インドの二大政党である「国民会議」と「インド人民党」の対立構図を整理できたのが大きな収穫。本書によればインドは2028年には日独を抜き去ってGDPで3位に浮上し、同じく28年前後に人口でも中国をまくるようだ。よく中国は眠れる獅子に例えられるが、インドは「巨象」だ。動きだしは鈍いが一旦檻から出ると手が付けられない。果たして経済と人口で巨象がトップに躍り出た時、一体何が起こるのだろうか。2019/12/17
yyrn
26
インドについて知っていることを挙げよ。う~ん、ガンジス川、ヒンズー教、カースト制、ガンジー、タージマハル、ムンバイ、カレー、チャイ、ダージリンティー、タタ財閥、歌って踊るインド映画?サリー、ゼロの発見・・・「ゲイシャ、ハラキリ、フジヤマ」レベルで恥ずかしいが、そんな人が読むと良い本。インドの現状と、なぜそうなったのかを独立運動辺りまで遡って教えてくれるので、スズキが受入れられた理由やIT技術者たちが世界で活躍している訳などが理解でき、モディ首相が先導するインドの未来も見えてくる。一筋縄ではいかないと思うが2020/01/10
しゅわっち
24
読んですごく思ったのが、古い慣習から脱却しているインドの姿でした。ITは、新しい産業なので、カーストの影響を受けずに発展してるように感じた。また、0を発見した国なので、物を作るより、思考を重点に置くために、インフラは、自分で作れないと感じた。日本との差を浮き彫りにしてると思った。国を豊かにする政策で、支持を得ている首相の姿があった。2020/08/18