文春新書<br> 戦争にチャンスを与えよ

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文春新書
戦争にチャンスを与えよ

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  • サイズ 新書判/ページ数 224p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784166611201
  • NDC分類 319.04
  • Cコード C0231

出版社内容情報

「戦争は平和をもたらすためにある」「国連介入が戦争を長引かせる」といったリアルな戦略論で「トランプ」以後を読み解く。ベストセラー『中国4.0』の著者、待望の最新作! 国連・NGO・他国の介入が戦争を長引かせるのだ!――本当の戦争を知る大人の戦略論

著者のルトワック氏は、ローマ帝国の戦略に関する論文で博士号を取得するなど、古今東西の歴史に関する博識を有する一方で、実際の戦場も経験し、安全保障に関して各国のアドバイザーとして活躍している異色の人物です。「歴史」も「理論」も「実践」も知り尽くした「最強の戦略家」です。

旧ユーゴ内戦、ルワンダ内戦、シリア内戦といった紛争において、実は「良心」や「正義感」や「人道的配慮」にもとづく国連やNGOや他国による中途半端な「介入」が、「戦争」を終わらせるのではなく、「戦争」を長引かせている――ルトワック氏はこう断言します。だからといって「戦争」を奨励しているわけではありません。「戦争」を無理に「停戦」させても、「戦争の火種を凍結する」だけだという事実を指摘しているだけなのです。「本当の平和は、戦争の当事者自身が戦争を倦むほど、徹底的に戦った後でなければ訪れない」と。

「難民支援が難民を永続化させる」「国際組織やNGOは紛争をビジネスにしている」「軍事力ではなく同盟関係がすべてを制す」など、本書は私たちが見誤りがちな「戦争」と「平和」の見方を正してくれます。また、「平和のためにこそ尖閣に武装人員を常駐させろ」「日本の「あいまいさ」が中国の誤解を生む」「北朝鮮の核・ミサイル能力を侮るな」「日本が国連常任理事国になる秘策」といった日本に対する具体的な提言も満載です。現代の「戦争」と「平和」を考える際の必読書です。



キーワード:戦争、平和、紛争、介入、難民、人道支援、同盟、戦略、戦術、シリア、ユーゴ、ウクライナ、尖閣、中国、北朝鮮、南シナ海、核、ミサイル、パラドキシカル・ロジック、ヨーロッパ、ビザンティン帝国、トランプ政権、国連常任理事国

エドワード・ルトワック[エドワード ルトワック]

奥山 真司[オクヤマ シンジ]

内容説明

国連やNGOや他国による中途半端な「人道介入」が、戦争を終わらせるのではなく、戦争を長引かせる。無理に停戦させても、紛争の原因たる「火種」を凍結するだけだ。本当の平和は、徹底的に戦った後でなければ訪れない。

目次

1 自己解題「戦争にチャンスを与えよ」
2 論文「戦争にチャンスを与えよ」
3 尖閣に武装人員を常駐させろ―中国論
4 対中包囲網のつくり方―東アジア論
5 平和が戦争につながる―北朝鮮論
6 パラドキシカル・ロジックとは何か―戦略論
7 「同盟」がすべてを制す―戦国武将論
8 戦争から見たヨーロッパ―「戦士の文化」の喪失と人口減少
9 もし私が米国大統領顧問だったら―ビザンティン帝国の戦略論
10 日本が国連常任理事国になる方法

著者等紹介

ルトワック,エドワード[ルトワック,エドワード] [Luttwak,Edward N.]
ワシントンにある大手シンクタンク、米戦略国際問題研究所(CSIS)の上級顧問。戦略家、歴史家、経済学者、国防アドバイザー。1942年、ルーマニアのトランシルヴァニア地方のアラド生まれ。イタリアやイギリス(英軍)で教育を受け、ロンドン大学(LSE)で経済学で学位を取った後、アメリカのジョンズ・ホプキンス大学で1975年に博士号を取得。同年国防省長官府に任用される。専門は軍事史、軍事戦略研究、安全保障論。国防省の官僚や軍のアドバイザー、ホワイトハウスの国家安全保障会議のメンバーも歴任

奥山真司[オクヤママサシ]
1972年生まれ。カナダ、ブリティッシュ・コロンビア大学卒業。英国レディング大学大学院博士課程修了。戦略学博士(Ph.D)。国際地政学研究所上席研究員(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

かみぶくろ

108
倫理道徳的な面から戦争を考えるのではなく、大局的な視点で怜悧冷徹に戦争を分析せよ、っていう趣旨の本。筆者によれば、お互い疲弊し尽くすまで戦争を行えばその後に必ず平和が来るから、国連やNGOは感情や人道みたいなぬるい動機で介入して、不完全燃焼→紛争の長期化・固定化をもたらすべきではない、とのこと。読んでいると、言いたいことは分かってくるし、それなりに説得力もある。でも、目の前で誰かがつまずいたら反射的に手を伸ばしちゃうのが人間で、そうした習性は前提にして発展的な論を展開してほしかったかなあ。2017/06/06

ナミのママ

52
ドキッとするタイトル。ここ最近のめまぐるしい世界情勢と、それをめぐる日本という国の在りかたに危機感を感じています。新聞の一面を見て「それよりもっと大きな問題があるんじゃないか?」と思う事もしばしばです。日本の価値観でなく、外から見たらどうなんだろう?と思っていたところ、この本を見つけ、すぐに手に取りました。中でも「もし私が米国大統領顧問だったら」の章が興味深かったです。「もし私が日本総理大臣のアドバイザーだったら」・・・2017/04/27

やじ

42
すごい本。素晴らしい‥全力でおすすめします。戦略の世界では「成果を積み重ねることができない」日本人が個々でいくら強くても、あの戦争は負けるしかなかったのだと、改めて悲しく思った。常識を窓から投げ捨てねば勝てない。国を守り、戦争を避けるには、外交が一番大切なのだと。敵の中で寝返る人を見つけるのだ。特亜だのと毛嫌いしている場合ではない。世論がなんと言おうが韓国と慰安婦合意をしたり、プーチン大統領ともトランプ大統領とも懇意にしている安倍総理は、すごい戦略家なのだと心から思った。マスコミが反日でなければ今頃は‥涙2017/08/12

めっかち

40
 不都合な真実、ここにあり! 戦争が平和を生み、平和が戦争を生むとは皮肉なものだ。しかし、「まぁ、大丈夫だろう」が最もよくない選択というのは、日常生活にも落とし込める点だと思う。

ビイーン

39
平和教育に毒された僕には受け入れがたい内容ばかりだった。そして非情な現実を突きつける。北朝鮮の核ミサイル攻撃に対し、日本には「降伏」「先制攻撃」「抑止」「防衛」という四つの選択があるといい、日本は現実にはどれも選択していないのだという。代わりに選択されているのは「まあ大丈夫だろう」という無責任な態度。ルトワックはこの態度が平和を戦争に変えてしまうという。日本人はこの警告を重く受け止めなければいけない。北朝鮮にしてみれば「憲法9条なんて、そんなの関係ねえ」だろうし。2018/12/16

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