出版社内容情報
ロクでもない人生でも、私は幸福だった。「自分でもワケのわからない」佐藤愛子ができ、幸福とは何かを悟るまで。初の語りおろし。人から見たら悲劇かもしれない人生。
しかし、正々堂々、力いっぱい生きた私はいま、満足だ
――こんな佐藤愛子は、どうしてできた?
ワガママ盛りの6歳で聞いた乳母の言葉は、思えば初めての人生の教訓だった。以来、父・佐藤紅緑、母、先輩や友の影響を受けて出来上がったのは、「他人から理解されないばかりでなく、自分でも何かわけのわからない、ヘンな佐藤愛子」。
そして二度の結婚に失敗、夫の借金に巻き込まれ、それでも人は幸福に生きられる!
93歳、初の語り下ろし人生論。
佐藤愛子を作った言葉
「なんぼお嬢ちゃんやかて、大きゅうなったらどうしてもせんならんということが、世の中にはおますのやで」(乳母)
「豆腐屋のオッサンかて校長先生かて、おんなじ人間ですがな」(母)
「カネカネという奴にろくな奴はいない」(父・佐藤紅緑)
「女に小説は書けないよ。女はいつも自分を正しいと思っている」(師・吉田一穂)
「君はね、平林たい子さんのような作家になりなさい」(師・北原武夫)
「苦しいことが来た時にそこから逃げようと思うと、もっと苦しくなる」(師・臼井栄子)
「君は男運が悪いんやない。男の運を悪くするんや」(友・遠藤周作)
佐藤 愛子[サトウ アイコ]
内容説明
人から見れば悲劇かもしれない人生。しかし、正々堂々、力いっぱい生きた私はいま、満足だ―こんな佐藤愛子は、どうしてできた?93歳、初の語り下ろし人生論。
目次
第1章 私をつくった言葉(「どうしてもせんならんということが、世の中にはおますのやで」;「豆腐屋のオッサンかて校長先生かて、おんなじ人間ですがな」;「カネカネと言う奴にロクな奴はいない」 ほか)
第2章 幸福とは何か(勘定知らずも才能の一つ;金がなくても「しょがないもなあ」;父は狂い犬、娘は暴れ猪 ほか)
第3章 死とは何か(ヘンな友だちは、みないなくなった;遠藤周作と七色の小便;川上宗薫の妻は「水腹」? ほか)
著者等紹介
佐藤愛子[サトウアイコ]
大正12年大阪生まれ。甲南高等女学校卒業。昭和44年『戦いすんで日が暮れて』で第六十一回直木賞を受賞。昭和54年『幸福の絵』で第十八回女流文学賞を受賞。父・佐藤紅緑、兄・サトウハチローを生んだ佐藤家の荒ぶる魂を描いた『血脈』の完成により、平成12年に第四十八回菊池寛賞を受ける。平成27年『晩鐘』で第二十五回紫式部文学賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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