文春新書<br> お祈りメール来た、日本死ね―「日本型新卒一括採用」を考える

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文春新書
お祈りメール来た、日本死ね―「日本型新卒一括採用」を考える

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  • サイズ 新書判/ページ数 255p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784166611058
  • NDC分類 366.21
  • Cコード C0295

出版社内容情報

長期化する就活。学業を阻害し、既卒を排除すると問題視される「日本型新卒一括採用」は悪なのか? 欧米の事例と比較、解を探る。新卒一括採用は悪なのか? この一冊ですべてが分かる。



「お祈りメール」という言葉をご存知ですか?

就職活動生に対して、企業が不採用を告げるときのメールの末尾に、「今後のご活躍を?お祈り?しております」と慇懃な定型文を付けることから付いた、不採用通知の“愛称”です。まじめな就活生なら何百回も“お祈り”されてしまい、人格を傷つけられたと思ってしまう学生も。

そもそも、「新卒一括採用」というのは世界では珍しい形態です。なぜこの仕組みは成立したのか? 企業はなぜ日本型雇用に拘るのか? 欧米のようにサービス残業の無いジョブ型社会にすれば良いんじゃないか?――色々な声が聞こえます。果たして問題の核心とはなんなのでしょうか? 本書では、歴史・データ・海外比較を駆使して、多角的に「採用問題」を解き明かします。



?歴史的に見て、青田買い&学業疎外防止のルールは守られてきたか?

→No! 戦後からいたちごっこ。ルールメイカーは「就活ナビ解禁日調整」だ!

?日本型雇用――新卒一括採用、終身雇用、年功序列は悪か?

→No! やめられない止まらない「ゆで蛙型日本型雇用」の実態に迫る

?新卒一括採用が嫌なら、欧米型をそのままマネすればいいのか?

→No! 欧州の若年失業率が高い。同じ仕事を同じ給料で一生。学歴による差別。

?日本のメンバーシップ型雇用と、欧米型のジョブ型雇用のイイトコ取りとは?

→有名校有利を打開するには「GPA」を導入せよ!



著者はドラマ「エンゼルバンク」(ドラゴン桜外伝、三田紀房原作)に登場する「雇用のカリスマ・海老沢康生」のモデル、海老原嗣生氏。本作は新卒採用に焦点を絞って分析し、ラストには大学改革まで視野を広げた決定版! 豊富な図版と平易な語り口で、難しいテーマが、この一冊でマル分かりです。





濱口桂一郎氏 推薦!(労働政策研究・研修機構労使関係部門統括研究員)

「『ジョブ型』と『メンバーシップ型』という対比で雇用を語る際に、前者についてはややもすれば通り一遍な紙の上の説明で済ませてしまっているきらいがありますが、その『ジョブ型』ってのは、実は(日本人が頭の先っぽで考えるような生やさしいものじゃなくって)こういうものなんだ、と実例満載で解説し尽くそうとしている」

海老原 嗣生[エビハラ ツグオ]

内容説明

青田買いを目論む企業と、大量の不採用通知メールに悩む学生。長期化する就職活動…。この不協和音に現代のネット就活は解を出せるのか?精緻なデータ分析や欧米型システムとの比較を通して、雇用のカリスマが100年に及ぶ論争を鳥瞰する。

目次

0章 就活って今、どうなってるの?何が問題なの?
1章 100年論争を棚上げするための処方箋
2章 やめられない止まらない日本型雇用
3章 欧米型雇用の不都合な真実
4章 進歩的提言の限界
5章 日本型が変えねばならない本当の短所
「働く」は、縦と横の比較の中で語ろう

著者等紹介

海老原嗣生[エビハラツグオ]
1964年生まれ。上智大学経済学部卒業後、大手機械メーカーに入社。その後、大手人材系企業に転職。新規事業企画や人事制度設計などに関わった後、2008年同社を退職し、HRコンサルティングを行う株式会社ニッチモを設立(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

おさむ

53
ショッキングな題名とは裏腹に、新卒一括採用やon the job traning、ゼネラリスト志向といった(何かと評判のよくない)日本企業の採用雇用システムを再評価する内容。最近はスケジュールの後ろ倒しや前倒しばかりが世間で注目されていますが、そこは枝葉の話。それぞれの国は様々な歴史や文化や社会などの構造的な背景からシステムを作っており、単純に日本に欧米型を導入する「接ぎ木」はうまくいかない事はよくわかります(何でもそうです)。就活生は日本の就職システムをそれなりに信じた方が幸せなのかもしれませんね‥‥。2017/03/21

若布酒まちゃひこ/びんた

19
読んだ。http://www.macha-job.com/entry/2016/12/07/2026432016/12/07

またおやぢ

14
日本型雇用の問題点を著者の視点から詳らかにし、欧米の雇用慣行やその背景との比較により、現状に基づいた打ち手を模索・提案する内容に好感を覚える。社会状況がボトルネックだと考え、思考を停止してはいけないとも再認識した。どのような人間を惹きつけ、どのように採用し、どのように育て、どのように組織に定着させかについては、組織が現状最善を判断し、自らの要請に合わせて柔軟に対応改善していくものである。個人もまた自らの価値感を踏まえ、折り合いを付けることが肝要であると示唆する一冊。しかし…このタイトルと帯の煽りは不適切。2017/02/22

Happy Like a Honeybee

13
フランスでは全人口の4割が進学し、その中で正社員になれるのは3割だけ。同一労働同一賃金が徹底され、年収は全く上がらず籠の鳥、箱のネズミと揶揄される。階層の固定化こそ、欧州の問題だろう。 日本では親の職業に関係なく、一流企業へ就職できる可能性が高い。仕事ができれば出世もあり、管理職の道もある。 現状を知らずして、欧米型雇用を称賛するのは無知の極みだ。 まずはこの本で学習が必要。2017/05/27

hk

13
企業内労働組合、年功序列終身雇用、新卒一括採用を三大支柱とする日本型雇用慣行には「欧州型をロールモデルにして変更すべきだ」という声が根強く存在する。だが「欧州型雇用慣行とは一体どんなものなのか?」と問われた際に、立て板に水スラスラと答えられる通暁者は日本において極めて少ないのが現実だ。本書は欧州のインターンシップ(企業実習)を中枢においた雇用システムの良し悪しをつぶさに紹介し、日本型雇用慣行とヨーロッパ型雇用慣行の折衷は可能かどうかを模索している。2017/02/07

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