文春新書<br> ルポ 老人地獄

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文春新書
ルポ 老人地獄

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  • サイズ 新書判/ページ数 255p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784166610563
  • NDC分類 367.7
  • Cコード C0295

出版社内容情報

酸鼻をきわめる「無届け老人ホーム」や「老人下宿」の現場、一度の病気で貧困層に転落してしまう高齢者の急増…大好評連載を書籍化。

絶望の老人社会を告発する、硬骨の社会派ノンフィクション!
川崎市の老人ホームで入居者が謎の連続転落死を遂げ、ヘルパーが老人を虐待する映像が公開されて世間に衝撃を与えた。
だが、これは氷山の一角に過ぎない。近い将来3人に1人が高齢者となる日本では、老人をめぐる状況が凄まじい勢いで悪化しているのだ。
たとえば……
・全国各地に「無届け老人ホーム」が増加。行政に届けを出さず、古い空き家を利用したホームが多い。男女混合で雑魚寝させる「お泊りデイ」施設も。排泄物の臭気が充満する不衛生な環境で、ノロウイルスが蔓延したり、転んでケガするケースが続出。それでも「安い料金」が魅力となり、入居させたい家族は後を絶たない。
・北海道には「老人下宿」なるものが増えている。狭い部屋が与えられ食事が出るが、経営者が逃げてしまい、入居者が突然放り出される例も。
・一方で、特別養護老人ホーム(特養)を経営する社会福祉法人のなかには、濡れ手で粟のボロ儲けをし、まさに「老人食い」で肥え太っているものもある。政治家の介在が見え隠れするケースも。
・個人の介護計画を立てるのはケアマネージャー(ケアマネ)。ところが、ケアマネが特定の施設にカネが落ちるよう誘導しているケースも多発。無意味に高い料金を払わされる老人が多い。
・未婚率の上昇とシングルマザーの増加により、低所得の独居高齢者は激増。年金をきちんと払っていても、年金基金が破綻し、実質無収入となる老人も増えている。
・国民健康保険が払えない老人たちも多い。だが、群馬県前橋市などの自治体は、低所得の老人からも無慈悲な「強制徴収」に踏み切っている。
……等々、枚挙に暇がない。
団塊世代が後期高齢者入りする2025年以降は、もっと悲惨な現実が待ち受けている。
はたしてわれわれは自分を守るためにどうすべきか? そのヒントが本書にある。

内容説明

男女混合で雑魚寝、汚物の処理もせずノロウイルスも蔓延…。「ひもつきケアマネ」に食い物にされ、都内から都外の施設に追いやられる。こんな老後に誰がしたのか?硬骨の本格的社会派ルポ!

目次

プロローグ 老人が報われぬ国
第1章 下層化する老人たち
第2章 カネなし家なし人手なし 八方ふさがりの老人介護
第3章 老人ビジネスに群がる社会福祉法人
第4章 医療・年金制度は崩壊している
第5章 老後の沙汰はカネ次第、でいいのか
あとがき 記者たちが目撃した現実

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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ナミのママ

68
読み終えて、生きていくのが嫌になってきました。カバーをはずした帯に「それでも長生きしたいですか?」とあった、まさにそのとおりの内容です。しかし近所、、街、周囲に退職者した年代が増えているものの、それなりに生活しているように見えます。介護職の知人も、海外旅行など楽しんでいます。ここに書かれているような事を見ることはない、住み分けが進んでいるのか、声をあげる元気もない人達なのでしょうか。目をそらしてはいけない現実と、読了したものの、不謹慎ながら、今の生活の幸せをただただ実感しました。2016/01/09

Tsuyoshi

62
タイトル通り、老人や福祉を取り巻く環境の厳しさを資料や取材を基に切々と語られてあった。親の介護はもちろん、自身の老後においては長生きの是非がより問われそうな時代になりそうだ。2018/03/05

おかむら

48
朝日新聞連載企画。連載時からちょこちょこ読んでたけど加筆されたのまとめて読むと老後がほんとに怖ろしい。経済部なのでシビアなカネの話。あと10年くらいで年金生活者になるのでマジ怖い。アンハッピーリタイアメントだわー。いま一応中流かなあという暮らしをしてても老後夫婦どちらか一方でも病気になると長引くと介護度増えるとあっという間に下流に転落。他人事じゃないわ。ブルブル。あと社福の蓄財(老人ビジネス)の話は黒川博行が好きそうだった。カネの話は心が荒むなー。2016/02/29

キムチ

46
標題は「老人地獄」とあるけれど内容的には「日本、これからの現実」であって、地獄とは言えない内容。浮かれた日本人の大半を思うとギリシャどころではないと切実に思う。大半が見て聴いて動いている内容だけによく解る・・なのに自分ですら余りの重い内容をどうして行けばいいのか分からない。福祉は「汚い」とよく言われてきた。悪徳がはびこりやすい、善意をかすめ取りやすい、偽善が付きもの・・etC確かに内容的には行政、法律の観点から綴られている為、福祉の現場でいる人たちの痛みが表になっていない。2016/09/06

おさむ

43
まさに題名通りの内容でした。貧困、生活保護、施設難民、ブラック社会福祉法人……。まったく光のない、厳しい現実を見せつけられると、この日本で長生きすることは果たして幸せなのか?と真剣に思い悩んでしまいます。朝日新聞連載の「報われぬ国」をまとめたもの。2015/12/24

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