出版社内容情報
日本の近代は幕末、西洋との出会いに始まる。諸外国への対応を軸に、国家150年の来歴を見直し、危機脱出の航路を示す。
安倍総理の「戦後70年談話」は、日本の歴史認識のひとつの到達点となりました。また、それに先立ち、集団的自衛権の容認も閣議決定されています。東京裁判史観の偏向した論理によって歪められてきた日本の近代への理解が、正常な形に戻りつつある証左でしょう。
これらの動きの原点ともいえる鼎談が、2002年に月刊『諸君!』に掲載された「21世紀『日本丸』の航海図」でした。その後、岡崎久彦氏は、「安全保障の法的基盤の再構築に関する懇談会」の有識者委員として集団的自衛権の容認を実現し、北岡伸一氏は「戦後70年談話」有識者懇談会座長代理として、安倍談話の道筋をつけました。鼎談の直後に逝去された坂本多加雄氏が、「新しい教科書をつくる会」理事として、これらの動きの先駆となったことも忘れてはいけません。
この鼎談では、黒船来航から集団的自衛権論争まで、時代を区分して、それぞれの時代に対する理解を歪めてきた偏向史観を徹底的に論破します。勝者がつくってきたデタラメな歴史観に対する実証的な異議申し立てに、目からウロコが落ちます。そして曇りなき眼で、我々日本人がそれぞれの時代をいかに生きてきたのかを論じます。日本の近代史としても決定版といえる内容になっています。
10時間を超える白熱した討論は、まさに日本の「歴史認識」の原点であり、これからの日本の行くべき方角を示す羅針盤でもあります。
内容説明
二十一世紀、国家間の歴史認識論争は、いよいよ熾烈なものになった。しかし、「薩長史観」から「東京裁判史観」まで我々の近現代史はあまりに多くの偏向史観に歪められてきた。日本の論壇をリードしてきた三人が、曇りなき眼で日本近代の来歴を見直した「歴史認識」の原点。
目次
第1章 一八五三(嘉永六)年~一八九五(明治二十八)年―黒船来航から日清戦争まで
第2章 一九〇四(明治三十七)年~一九四五(昭和二十)年―日露戦争から大東亜戦争まで
第3章 一九四五(昭和二十)年~一九八〇(昭和五十五)年―占領期から「六〇年体制」期まで
第4章 一九八九(昭和六十四)年~二〇〇二(平成十四)年―“空白の十年”、そして未来へ
終章 二〇〇二(平成十四)年~―国家を動かすエリートの役割
著者等紹介
岡崎久彦[オカザキヒサヒコ]
1930(昭和5)年生まれ。東京大学法学部中退。外務省入省。情報調査局長、駐サウジアラビア大使、駐タイ大使などを歴任し、退官後は岡崎研究所を創設し、所長を務めた。『隣の国で考えたこと』(日本エッセイスト・クラブ賞)、『国家と情報』(サントリー学芸賞)など著書多数。2014年死去
北岡伸一[キタオカシンイチ]
1948(昭和23)年生まれ。東京大学法学部卒。国際大学学長。東京大学名誉教授。法学博士。2004年から06年まで国際連合次席大使を務めた。『清沢洌』(サントリー学芸賞)、『日米関係のリアリズム』(読売論壇賞)、『自民党』(吉野作造賞)など著書多数。2011年、紫綬褒章
坂本多加雄[サカモトタカオ]
1950(昭和25)年生まれ。東京大学法学部卒。学習院大学教授を務めた。法学博士。『市場・道徳・秩序』(サントリー学芸賞)、『象徴天皇制度と日本の来歴』(読売論壇賞)など著書多数。2002年死去(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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