文春新書<br> 日本人の歴史観―黒船来航から集団的自衛権まで

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文春新書
日本人の歴史観―黒船来航から集団的自衛権まで

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  • サイズ 新書判/ページ数 220p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784166610433
  • NDC分類 210.6
  • Cコード C0295

出版社内容情報

日本の近代は幕末、西洋との出会いに始まる。諸外国への対応を軸に、国家150年の来歴を見直し、危機脱出の航路を示す。

安倍総理の「戦後70年談話」は、日本の歴史認識のひとつの到達点となりました。また、それに先立ち、集団的自衛権の容認も閣議決定されています。東京裁判史観の偏向した論理によって歪められてきた日本の近代への理解が、正常な形に戻りつつある証左でしょう。
これらの動きの原点ともいえる鼎談が、2002年に月刊『諸君!』に掲載された「21世紀『日本丸』の航海図」でした。その後、岡崎久彦氏は、「安全保障の法的基盤の再構築に関する懇談会」の有識者委員として集団的自衛権の容認を実現し、北岡伸一氏は「戦後70年談話」有識者懇談会座長代理として、安倍談話の道筋をつけました。鼎談の直後に逝去された坂本多加雄氏が、「新しい教科書をつくる会」理事として、これらの動きの先駆となったことも忘れてはいけません。
この鼎談では、黒船来航から集団的自衛権論争まで、時代を区分して、それぞれの時代に対する理解を歪めてきた偏向史観を徹底的に論破します。勝者がつくってきたデタラメな歴史観に対する実証的な異議申し立てに、目からウロコが落ちます。そして曇りなき眼で、我々日本人がそれぞれの時代をいかに生きてきたのかを論じます。日本の近代史としても決定版といえる内容になっています。
10時間を超える白熱した討論は、まさに日本の「歴史認識」の原点であり、これからの日本の行くべき方角を示す羅針盤でもあります。

内容説明

二十一世紀、国家間の歴史認識論争は、いよいよ熾烈なものになった。しかし、「薩長史観」から「東京裁判史観」まで我々の近現代史はあまりに多くの偏向史観に歪められてきた。日本の論壇をリードしてきた三人が、曇りなき眼で日本近代の来歴を見直した「歴史認識」の原点。

目次

第1章 一八五三(嘉永六)年~一八九五(明治二十八)年―黒船来航から日清戦争まで
第2章 一九〇四(明治三十七)年~一九四五(昭和二十)年―日露戦争から大東亜戦争まで
第3章 一九四五(昭和二十)年~一九八〇(昭和五十五)年―占領期から「六〇年体制」期まで
第4章 一九八九(昭和六十四)年~二〇〇二(平成十四)年―“空白の十年”、そして未来へ
終章 二〇〇二(平成十四)年~―国家を動かすエリートの役割

著者等紹介

岡崎久彦[オカザキヒサヒコ]
1930(昭和5)年生まれ。東京大学法学部中退。外務省入省。情報調査局長、駐サウジアラビア大使、駐タイ大使などを歴任し、退官後は岡崎研究所を創設し、所長を務めた。『隣の国で考えたこと』(日本エッセイスト・クラブ賞)、『国家と情報』(サントリー学芸賞)など著書多数。2014年死去

北岡伸一[キタオカシンイチ]
1948(昭和23)年生まれ。東京大学法学部卒。国際大学学長。東京大学名誉教授。法学博士。2004年から06年まで国際連合次席大使を務めた。『清沢洌』(サントリー学芸賞)、『日米関係のリアリズム』(読売論壇賞)、『自民党』(吉野作造賞)など著書多数。2011年、紫綬褒章

坂本多加雄[サカモトタカオ]
1950(昭和25)年生まれ。東京大学法学部卒。学習院大学教授を務めた。法学博士。『市場・道徳・秩序』(サントリー学芸賞)、『象徴天皇制度と日本の来歴』(読売論壇賞)など著書多数。2002年死去(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

壱萬参仟縁

39
本書は、2002年初出の岡崎久彦、坂本多加雄の両氏と北岡伸一氏とで近代に本の発展を自由に語った鼎談(7頁)。北岡氏が興味深い本とするのは、ケネス・ボールディングの『歴史はいかに書かれるべきか』講談社学術文庫(21頁)。坂本氏:民衆史も研究が進んで、自由民権運動をいうのは民衆が国民になるための近代的運動(24頁)。北岡氏:日本の戦前に民主主義があったのは明らかという(101頁)。2016/03/21

さきん

10
二十一世紀、国家間の歴史認識論争は、いよいよ熾烈なものになった。しかし、「薩長史観」から「東京裁判史観」まで我々の近現代史はあまりに多くの偏向史観に歪められてきた。日本の論壇をリードしてきた三人が、曇りなき眼で日本近代の来歴を見直した「歴史認識」の原点。日本近代史としてとても面白かった。2015/10/09

kenitirokikuti

8
図書館にて。今は亡き『諸君!』の2002年7月号掲載の鼎談を、2015年に新書化したもの。鼎談者の坂本は2002年10月に、岡崎は2014年に亡くなっており、終章は02〜15年を北岡が語り下し或いは文藝春秋からの再録かと▲鼎談の締めは90年代について。リアルタイムでは小泉内閣の有事法制が国会で審議されていた頃。新書の頃は二次安倍で集団的自衛権が解釈改憲あった頃▲冷戦崩壊後、国家の役割を否定するという部分で市場グローバル理論(市場原理主義)と左翼思想がドッキングした。最近のレフトはビッグテック批判が主だなあ2022/11/08

hurosinki

4
どえらい先生方が日本近現代史を語った贅沢な本。北岡伸一氏を除く坂本・岡崎両氏は刊行時既に他界しており、前書きは両氏について北岡氏が書かれている。事物人物、そして史観へのハッキリした価値判断が見ものだが、三者の見解の微妙なズレや温度差も楽しめる。大まかに時代区分はなされているが、その中であっちこっちに話が飛んでいき、読者にある程度の知識があることが前提(マイナーなものには注釈が付いてるが)なので、初心者向けではないかも2020/08/08

バルジ

2
近頃岡崎久彦ブームのような状況が発生したため再読。 北岡伸一・坂本多加雄・岡崎久彦という碩学達が日本近現代を語り尽くす贅沢な鼎談なので、再読するに耐えうる書物であることを再認識した。 個人的に興味深いのは「保守派」と呼ばれることの多い、坂本・岡崎両氏が日米戦争開戦過程におけるアメリカ陰謀説を一笑に付している点。近年の保守派内に跋扈する軽薄な歴史観を見ていると両氏の歴史を眺める態度は安心してしまう。2019/04/01

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