出版社内容情報
「哲学」は日常の至る処に生きている。作家の須賀敦子や精神科医のV・フランクル、宮澤賢治など14人の生き様から読み解く哲学。
人間についての普遍的な原理を難しい言葉で記述するばかりが「哲学」ではない。書物に書かれている高尚な哲学ばかりが「哲学」ではない。ときに肉声のなかに、手紙のなかに、あるいは人知れぬ行為のなかに、真の哲学は宿っている――。
祖国を離れ、ひとり異国の地でひたすらに歩いた作家・須賀敦子。強制収容所で絶望を目の当たりにしながら、人生の意味を深く問うた精神科医・フランクル。食に命をこめる料理研究家・辰巳芳子。震災や戦争に際して遺族に祈りを捧げた美智子皇后。
歩く、祈る、見る、聴く、喪う。「悲しみ」ともいうべき人生の場面で言葉を紡ぎ、ある哲学を体現した者たちの「生きる哲学」を、その行為のなかに読む。
序章 生きる――言葉と出会うということ
1章 歩く――須賀敦子の道
2章 彫る――舟越保武の「かたち」が照らす光
3章 祈る――原民喜の心願
4章 喪う――『論語』の哀しみ
5章 聴く――志村ふくみと呼びかける色
6章 見る――堀辰雄と風が告げる訪れ
7章 待つ――リルケと詩が生まれるとき
8章 感じる――神谷美恵子の静かな意思
9章 目覚める――寄り添うブッダ
10章 燃える――宮澤賢治と病身の妹トシ
11章 伝える――フランクルが問う人生の意味
12章 認める――辰巳芳子と「いのち」
13章 読む――皇后と愛しみが架ける橋
終章 書く――井筒俊彦と「生きる哲学」
内容説明
祖国を離れ、ひとり異国の地をひたすらに歩いた作家・須賀敦子。強制収容所で絶望を目の当たりにしながら、生きる意味を問うた精神科医・フランクル―。寄る辺なき時にあっても自分の足で確かに立ち、新たな思索を切り拓いた14人の「生きる哲学」を読む。
目次
生きる―言葉と出会うということ
歩く―須賀敦子の道
彫る―舟越保武の「かたち」が照らす光
祈る―原民喜の心願
喪う―『論語』の哀しみ
聴く―志村ふくみと呼びかける色
見る―堀辰雄と風が告げる訪れ
待つ―リルケと詩が生まれるとき
感じる―神谷美恵子の静かな意思
目覚める―寄り添うブッダ
燃える―フランクルが問う人生の意味
認める―辰巳芳子と「いのち」
読む―皇后と愛しみが架ける橋
書く―井筒俊彦と「生きる哲学」
著者等紹介
若松英輔[ワカマツエイスケ]
批評家。読売新聞読書委員、『三田文学』編集長。1968年生まれ。慶應義塾大学文学部仏文科卒業。2007年「越知保夫とその時代 求道の文学」で、第14回三田文学新人賞評論部門当選(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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