文春新書<br> サッカーと人種差別

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文春新書
サッカーと人種差別

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  • サイズ 新書判/ページ数 228p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784166609871
  • NDC分類 783.47
  • Cコード C0295

出版社内容情報

スタジアムで起こった人種差別事件を検証し、サッカーは差別といかに闘ってきたのかを探る。差別的横断幕事件を受けた緊急出版。

2014年3月8日、埼玉スタジアムで開催された浦和レッズ対サガン鳥栖戦において、浦和サポーターによって「JAPANESE ONLY」という差別的横断幕が掲げられた。Jリーグはこれに対して厳しく臨み、Jリーグ初の無観客試合という制裁を下した。
人種差別的かつ外国人嫌悪(ゼノフォビア)に基づくメッセージがスタジアムにも現れたことを受けて、サッカーをこよなく愛する文芸評論家・陣野俊史氏が緊急に書き下ろしたのが本書です。
内容は二つの柱からなっています。
一つ目は、スタジアムでこれまでどのような人種差別事件があったのか。
二つ目は、選手、クラブ、観客などサッカー界は差別とどのように闘ってきたのか。
本書は、この二つの内容を時間的には世界的な選手の移動を加速した1995年のボスマン裁定以後の20年、空間的にはサッカーの本場・ヨーロッパにしぼって詳述しています。
そこから浮かび上がるのは、アフリカ、アジアなどからの移民を受け入れてきたヨーロッパでは、今もなお、人種差別的な事件が起こり、それとの闘いも粘り強く続けられていることです。
多くの事件とその背景が選手の肉声などによって、具体的に明かされていきます。
人種差別的な言動を受けた選手たちのいたたまれない思い、尊厳を毀損された痛み、反撃できないもどかしさなども、身に迫ってくるはずです。
スタジアムで起きることは社会でも起きている、と著者は繰り返し書きます。
日本でも排外主義的な空気が高まるなか、差別を自分たちの問題として考えるための必読のテキストです。

内容説明

ここ20年、サッカーの本場ヨーロッパでは、どのような人種差別事件が起きてきたのか?サッカーは差別といかに闘ってきたのか?差別を受けた選手の足跡、差別と闘う団体の活動などを追いかけ、スタジアムと私たちの社会から差別をなくすためにはどうすればいいのかを考える。

目次

第1章 人種差別、その事件簿(エマニュエル・オリサデベの記憶(2000年)
ルイス・アラゴネスの、ティエリ・アンリへの暴言(2004年) ほか)
第2章 個人史のなかの差別―バーンズ、アネルカ、カランブー(ジョン・バーンズ;ニコラ・アネルカ ほか)
第3章 差別と闘う人びと(両刃の剣;スタジアムと社会は地続きである ほか)
第4章 コスモポリタンのレッスン(バナナを粉砕するためにはどうすればいいのか?;本質主義対反・本質主義 ほか)

著者等紹介

陣野俊史[ジンノトシフミ]
1961年、長崎県生まれ。文芸評論家。フランス文学、日本文学、サッカー、音楽など、批評の対象は広大(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

サンダーバード@読メ野鳥の会・怪鳥

77
「JAPANESE ONLY」と書かれた横断幕。一部のサポーターの行動により、無観客試合が行われた事は記憶に新しい。世界で最も広く行われている競技であるが故、心ない人々の人種差別的な行為も起こる。この本ではフランスやイギリスなど欧州の事例が多く挙げられている。戦後移民緩和政策を取って来た為に移民に対する差別も根強いという。一方で98年の仏、14年の独は移民がルーツの選手が中心のチームでW杯優勝をした。解決には特効薬は無く個人個人の感受性を高めていくしかないと思う。Say No To Racism。★★★+2016/07/01

けんとまん1007

16
この本をどう読むかは、いろいろあると思う。文字通り、サッカーの中だけに閉じて読んでしまうと、それなりで終わってしまう。文化と歴史という視点で見ると、違った見方もできるように思う。確かに、日本人からは、遠い世界の話のようにも思えるが、そうではない。日本の中にも差別はあるし、人種、あるいは民族・国家という視点で、蔑視する表現はたくさんある。自分もたまに耳にすることがあるが、気分が悪くなる。きれいごとだけでは済まない。これに対抗する手立ての中で、ユーモアというのは希望があると思う。2014/11/15

こも 零細企業営業

12
浦和レッズサポの「Japanese Only」から始まる人種差別への問題提起。 ゴール裏の聖地を外国人から護る為だそうな。 聖地が穢れる? さて本編を読んだら、サッカーの本番ヨーロッパでの人種差別の歴史が苛烈だった。 コレらの反応は、「マイノリティーに慣れていない」事による苛烈な拒絶反応。受け入れて行けばそのうち慣れるし時間が掛かる。 そして、「ルール化して人種差別者を強制的に黙らせても人種差別者のまま。」だと云う事には納得した。 とにかく時間をかけて、マイノリティーに慣れるしかない。 そう感じる本でした2019/09/30

Yスキー

9
差別はいかん。ダニエウアウベスが食って有名になったのバナナを使った差別、かなり古くから有色人種に対して行われていたらしい。 差別とは違うが、ブラジルW杯で唯一初出場したボスニアヘルツェゴヴィナ。出場にあたってオシムがしたこと、決まった時の涙の意味、知れてよかった。もう一度言う。差別はいかん。2014/07/25

Carlos

7
人種に限らず、差別はいかん。前半は具体例が出て興味深く読めた。2015/05/05

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