出版社内容情報
戦国乱世の中、天下統一目前に斃れた織田信長。秀吉から徳川政権へ移行するなか、織田一族の行く末と武家政権の変遷を検証する!
内容説明
天正十年六月二日、織田信長は本能寺の変で斃れ、四十九年の生涯を閉じた。見果てぬ夢となった天下統一、この「織田体制」とは何だったのか?織豊政権の権力構造を解き明かしつつ、信長一族や末裔が辿った運命を克明に検証する。
目次
第1章 信長の達成
第2章 織田政権の崩壊と再建
第3章 織田信孝の「謀叛」
第4章 織田信雄の「逆意」
第5章 羽柴政権の誕生と織田体制の継承
第6章 織田家の血統
著者等紹介
山本博文[ヤマモトヒロフミ]
1957年、岡山県生まれ。東京大学文学部卒業、同大学院修士課程修了。現在、東京大学大学院情報学環・史料編纂所教授。専門は日本近世史。92年、『江戸お留守居役の日記』(講談社学術文庫)で第40回日本エッセイスト・クラブ賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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さきん
25
織田信長以後,織田家一門がなぜ、豊臣秀吉にしてやられたか随分鮮明にわかった。跡継ぎの信忠は、父と運命をともにし,信孝は人望がなく、信雄は秀吉を含めた情勢を見誤り、三法師は幼すぎ、野望を抱いた秀吉に上手い具合に権力の中枢から排除されていった。さらに関が原の戦いで豊臣方に組した織田信長の親戚はさらに大幅に領地を失うこととなった。しかし、血縁は、多くの名門に嫁ぐなどしたために織田家の血は多くの名家に流れている。2017/01/27
fseigojp
22
国侍が簡単に離反する戦国時代は先般の真田丸でも活写されていた 2017/02/08
たくのみ
11
無実の津田信澄を殺害した信孝、安土城を燃やした信雄。信長死後の覇権を争う二人がどうにもひどい。信雄に信孝を殺させて、信雄を改易することで「言いようのない恐怖と驚愕」で権力を固めた秀吉。その傘下で領地を持っていた信長のたくさんの兄弟や庶子たちが、関ケ原後ことごとく領地を失っていく。でも、かえって子孫は生き残るという皮肉。お江の血統を入れれば、大変恵まれた血統だったと言えるだろう。2016/07/08
maito/まいと
9
その前に「信長の子」を読んでしまったので、重複する要素が多くそれほど新しい情報はなかったように思った。また、「信長の血統」よりも信長の生涯を振り返るところの方がボリュームが大きく、違和感が残る一冊。山本氏にしては内容も全体的に王道すぎるのも残念(信長の功績と秀吉の天下統一との内容分析には流石と思わせる要素があったけれど)振り返っても、もったいない気がする。2012/10/10
マロン
8
「信長の血統」というよりは、信長、秀吉を通した織田体制についてが主題のような気がする。しかし、信長が将軍に就かなかった理由、戦国武将の家臣編成問題、惣無事令の淵源や朝鮮出兵への背景など、初めて知った情報も多く、自分としては満足。歴史は決して暗記では語れないな…。2013/03/02