文春新書
農協との「30年戦争」

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  • サイズ 新書判/ページ数 189p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784166607372
  • NDC分類 611.6
  • Cコード C0295

出版社内容情報

農協と30年にわたり、戦い続けてきた岡本重明氏。これまであらゆる改革を拒んできた「最後の聖域」の知られざる恥部を暴露する。

内容説明

目先の補助金だけが頼りの農民。票欲しさに金をばらまく政治家。無責任な言説を繰り返す評論家。それぞれが農業の惨状を招いた戦犯だが、中でも最大の元凶は組織防衛に走り、あらゆる改革に背を向けてきた農協である。誰も書けなかった巨大組織の「闇」。愛知県渥美半島で、日本最大の農協に挑み続けた農民の怒りの告発。

目次

第1章 変人農家
第2章 ムラの掟
第3章 農協と利権
第4章 農協が農家を潰す
第5章 補助金なんかいらない
第6章 消費者・市場を意識せよ
第7章 故郷を守る

著者等紹介

岡本重明[オカモトシゲアキ]
1961年愛知県生まれ。愛知県立成章高校卒業後、祖父の跡をつぎ就農。93年に農業生産法人・有限会社新鮮組を創業。2001年には農協から脱会し、企業としての農業を目指している。現在は水田20ヘクタール、畑3ヘクタールを自作し、ブロッコリー、キャベツ、大根等を生産するほか、約80ヘクタールの水田の耕作を請け負っている。会社のキャッチフレーズは「頑張る農家の応援団」。年商約1億2000万円(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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ito

49
TPP賛成派ということで手に取った。著者の実体験に基づく農協の実態が理解できて、大変面白く読んだ。農業には日本の政治と同じ問題がある。既得権益派(農協)と農家の対立構造がまさにそれだ。農業の現場は厳しい。我々は勝手に自然に憧れるが、食の現場は実践作業と全体構造を把握する知的能力が求められる。独自販売ルートを確保し、大規模経営に尽力している現場の勢いが伝わり、応援したい気持ちになった。一方、農協には企業家精神を取り戻して欲しいと思う。2015/03/15

kawa

35
「日本農業の弱体化の最大の元凶は農協だ」、が論旨(発刊は2010年)。プロの専業農家でもあり、農協と何度となくぶつかってきた著者だけに説得力が高いし、仕事がら農家の様子を横目ながら覗いていたので「さもありなん」だ。構成員のために存続することが自己目的化し巨大な既得権益集団となってしまった、というのが今の農協の実態なんだろう。今の日本の問題点の縮図を見る思い。内部の人の本音の考えや意見も聞いてみたいところ。2020/05/07

kochanosuke

21
書名には「戦争」なんて付いてるけど、著者の主張には少しも激越なところはない。私にはまっとうと思えることが、読みやすい文章で書かれてました。といっても農協のことは徹頭徹尾ボロクソに言ってるけど。書きたいことがいっぱいある人のようで、「広く薄く」ではあるが勉強になった。耕作放棄地はなぜ増えるのか? 農業生産をしていようがいまいが、農地であるという地目に対して同じ格安な固定資産税になっていて、宅地に比べて40分の1程度に優遇されているから。それだけでもおかしな税金の使われ方だけど、それに対して無策だからだそう。2013/08/06

金吾

19
農協の問題点がよくわかりました。今度は農協側の言い分を読んでみたいと思いました。2023/12/07

えも

9
帯にもあるとおり「大暴れ」! 既存の勢力と闘い、それをバネに力をつけてきた著者のパワーを感じます。その強烈なキャラだけに、農協との関係も、何か最初のボタンの掛け違いから始まったようにも読めます。まあ、私は農協という制度や戦後農政そのものが悪だとは思いませんが、著者のように前向きで経営感覚に優れた農家がもっと生き生きと活躍できる環境作りが必要ですよね。2013/06/16

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