内容説明
1990年代半ば、世襲政治家が永田町の中枢を占めて以来、日本の政治は劣化した。世襲を守る政治システムは、国民には見えにくい。そのからくりを永田町激怒の深層レポートで明らかにする。
目次
第1章 二世の投げ出しはなぜ続く
第2章 民主党の二世たち
第3章 からくりその1―政治資金管理団体の非課税相続
第4章 からくりその2―後援会組織の世襲
第5章 からくりその3―どんな無理もする「看板の世襲」
第6章 世襲大国日本
第7章 国民の意思が世襲を断ち切る
著者等紹介
上杉隆[ウエスギタカシ]
1968年福岡県生まれ。都留文科大学卒業。テレビ局、衆議院議員公設秘書、ニューヨーク・タイムズ東京支局取材記者などを経て、フリージャーナリストに(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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よこしま
24
今日は小渕優子経産相と松島みどり法相と2人同時に辞任という異例な日となりましたね◆この本はまだ報道の世界から干される前の上杉隆氏が数年前に書いたものですが、著者自身が実際に鳩山由紀夫氏の秘書をやっていた経験もあることも加味して、比較的読みやすかったです。更に政治が混乱していく中、今からでも政治について勉強したいという方には向いているかなと思います。上杉氏の本なので、今から読み返せば、ここ違うだろという部分が私にはあるでしょう。3.11以降に読み始めたのが彼の作品でしたのでお世話にはなったと思っています。2014/10/20
金吾
22
世襲議員が異常に多い日本の政治の現状と何故そうなるのかが書かれています。私も世襲議員の方の何人かにお会いしましたが、あまり魅力を感じなかったです。ルールを決めている人達が自分たちに有利になるようルールを作っているのとそのような議員を選んでいるのも国民ですので、改善はできないと思います。2025/02/18
coolflat
8
世襲の問題点は三つある。政治資金管理団体の相続、後援会組織の相続、知名度の相続だ。そのうち政治資金管理団体は、親の資産を非課税で相続するツールとして使われており、非常に問題がある。政治資金管理団体の相続方法は二つあり、一つは子が新たな政治資金管理団体を作り、そこに資産を移す方法。もう一つは政治資金管理団体をそのまま引き継ぐ方法だ。その典型的な例として小渕優子を挙げている。本書で指摘されるほど、“目立つ”のに、なぜ今まで過去の手法を使ってこられたのか不思議でならない。問題を指摘する人は誰一人いなかったのか。2014/10/25
ばんばん
3
★★★★☆(4.0) 世界と比べ日本の世襲議員の多さとその弊害を問題提起した内容。米国5%、英国下院3%、自民党40%、民主党20%といかに日本の政界に2世議員が多いのかが分かる。 筆者は「三バン」(地盤、看板、カバン)に世襲議員を生み出すからくりがあると述べている。また、太郎、一郎といった、覚えやすく選挙で書きやすい名前が多いという指摘も興味深かった。2017/07/11
snakedoctorK
3
世襲議員にとって政治は稼業だからなぁ 徳川だって15代世襲で政を行なってきてたわけだし これは日本の文化と言ってもいいのかもね2011/05/07