内容説明
冷戦終結と国際テロの続発で安全保障の環境が激変。米軍の世界的再編と革命的な技術進歩の中で、在日米軍と日本の防衛はどう変わるのか。日米協議の経緯も交え、米軍の全貌を描く。
目次
第1章 世界的な米軍再編の動き(アメリカはなぜ国防体制を見直すのか;冷戦が終わって国防戦略も変わった;米軍変革の背景といきさつ ほか)
第2章 在日米軍の再編(危険な東アジア;太平洋軍とアメリカ戦略;在日米軍の足跡と全貌 ほか)
第3章 日米同盟と日本の防衛(同盟強化と日本の役割;日本の防衛システムはこう変わる)
著者等紹介
森本敏[モリモトサトシ]
1941年生まれ。防衛大学校理工学部卒業後、防衛庁入庁。79年、外務省入省。情報調査局安全保障政策室長など、一貫して安全保障の実務を担当。専門は安全保障、軍備管理、防衛問題、国際政治。野村総研主席研究員、慶應大学・同大学院非常勤講師、中央大学・同大学院客員教授などを経て、現在は拓殖大学海外事情研究所所長(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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James Hayashi
26
防大、自衛隊、外務省から防衛大臣(野田内閣)06年著。冷戦終了後、ソ連から新たな脅威に対し米軍の再編を行なってきているが、その概要を説明している前半。ソ連を囲い込みような配置であったものを、南に下げ北朝鮮、中国、中近東に目配りする感じ(不安定な弧)。これを踏まえ後半の在日米軍の再編を見ていくと、沖縄の重要性が見えてくる。グアムへの一部海兵隊の移転費用を日本側が負担したことだが、在日米軍、日米安保の枠外として行われたことで新たに法律を作ったという。こういった時に地位協定の補足協定など考慮して欲しかった。2020/04/12
おらひらお
3
2006年初版。ですます調で書かれていますが、内容は結構過激な一冊。というかこれが現実なのでしょうか?アメリカの世界戦略の一端に組み込まれ、地域大国化しそうな中国に対峙させられる姿が描かれています。こういう視点で見ると中国関係の報道も距離を置いてみる必要がありそうです。2013/08/26
4610tosan
1
ひどい内容の本でした。米軍のことはよくお勉強したのでしょうが、だから、米軍の考え方に沿って日本が立派な子分になり、近隣諸国にアメリカ軍に逆らうとひどい目にあうから一緒に子分になろう、中国、北朝鮮は価値観が違うから敵だ、・・・。お勉強のできる軍人さんであることはわかりますが、非効率的で人間を損なう戦争という外交手段をどう位置づけるかがなく、とりあえず、いままでどおりアメリカの属国として必要な軍備を行うのが日本のため、みたいなこの本は悲惨というか、こんな人が防衛大臣じゃ沖縄の人たちこそが一番悲惨でしょう。2012/11/02
KJ
1
どうあっても価値観を共有することの出来ない中国という国が軍事力を増して隣国として存在している以上、日米同盟強化以外に日本に残された選択肢はない、という主張。「対中封じ込め」それこそが米軍再編の真のねらいであり、在日米軍基地が日本防衛のために存在しているという認識があるとすれば、改める必要がある。アメリカの世界戦略のおこぼれから抑止力を手に入れ、「きれいごと」を言いながら、平和に弛緩しているのが戦後日本の正直な現実なのだろう。2012/09/12